千葉県銚子市にある水族館の「犬吠埼マリンパーク」が、2018年1月31日限りで閉館すると発表しました。発表2日後に施設を閉じるという、突然の閉館です。施設の老朽化で、「事故が起きてからでは遅い」という判断があったようです。
耐震化工事費をまかなえず
「犬吠埼マリンパーク」は、1954年に銚子市水族館として開園。1963年に京成電鉄の運営となり「京成マリンパーク犬吠埼水族館」となりました。1974年に現在の鉄筋コンクリート3階建ての建物がオープンしています。
京成電鉄は1981年に撤退しましたが、地元企業が引き継いで運営を継続。現名称になりました。ただ、東日本大震災のあった2011年以降は来館者数が激減し、ピーク時に年間30万人を数えたこともあった来館者数は、最近は4~5万人に落ち込んでいたそうです。同館は、2018年1月29日に、同31日限りで閉館することを発表しました。
産経新聞2018年1月30日付によりますと、閉館の理由として、「建物の耐震化工事や老朽化した設備を更新するための資金繰りのめど」が立たないことを挙げています。運営会社社長は、「ボイラーなどは限界に来ている。万が一の事故でお客さまを危険な目に遭わせることはできない」と決断の理由を明かしました。
イルカショーも中止
売り物だったイルカショーも、かつて4頭いたイルカが1頭だけになってしまったうえ、その1頭も体調不良とのことで、12月から中止されています。
犬吠埼マリンパークのウェブサイトを見てみると、ジオシティ上にホームページビルダー7.0で作られており、手作り感満載。イルカショーの中止も書かれておらず、最近は更新されていない印象を受けます。
発表2日後の閉館というと、突然の幕引きのようにも思えますが、すでに運営が限界になていたということなのでしょう。歴史ある水族館が姿を消すのは、とても残念です。(鎌倉淳)