2015年春に控えた北陸新幹線金沢開業に伴い、経営が第3セクターに移る並行在来線(北陸本線)について、富山県の並行在来線対策協議会が経営計画の最終案を承認しました。
このなかで、3セク移行後の列車運行計画も明らかになりました。詳細なダイヤや時刻表は未定ですが、普通列車の運行本数は現状とほぼ同じで、朝は若干の増便。確定している優等列車は、泊―金沢間の快速1往復のみで、これは現在運行されている泊-金沢間の特急「おはようエクスプレス」の代替です。JR西日本に直通する特急列車は、今回の運行計画には盛り込まれませんでした。
最終案に書かれた表現を用いると、「特急列車や寝台列車など広域運行に関するJR西日本の方針等を踏まえ、JR西日本等と必要な調整を進める。なお、新幹線で代替されない時間帯等に運行する特急列車や広域利用における割引切符などについては、利用実態や利便性の確保等も勘案しながら、県が中心となってJR西日本に引き続き要請する。」とのみ書かれています。お役所言葉でわかりにくいですが、要するに「特急列車や寝台列車については確定事項がない」ということです。つまり、具体的な計画がない、といえます。
名古屋・大阪方面からの昼間の特急列車については、これまでJR西日本は富山への乗り入れ拒否の態度を示しています。そのため、「サンダーバード」や「しらさぎ」はすべて金沢までの運転になるでしょう。上記最終案に書かれた「新幹線で代替されない時間帯等に運行する特急列車」とは、早朝・深夜の「サンダーバード・しらさぎの富山乗り入れ」と、「トワイライトエクスプレス」を指すと思われます。これを引き続き要請するということは、JR西日本はこれらについても現時点で運行する意思を示していない、と受け取れます。
ちなみに、確定している城端線との乗り入れについては、最終案に「JR城端線の富山駅への乗り入れについては継続することとし、JR西日本と引き続き協議を進める」と明確に書かれています。城端線に関する記述と特急運転に関する記述の対比が、「トワイライトエクスプレス」存続の可能性の低さを物語っているのかもしれません。
ただし、「トワイライトエクスプレス」はそもそも定期列車ではありません。今回の最終案は定期列車についての運行計画ですから、トワイライトエクスプレスは臨時列車の扱いとして、今後も運行される可能性は残っていると解釈することもできなくはありません。
いずれにしても、この最終案を見る限りは、2015年3月以降、北陸本線の金沢以東は普通列車主体の路線になり、「トワイライトエクスプレス」の存続は不透明と言わざるえをえません。
その他、最終案の運行計画の骨子は以下の通りです。
・普通列車の運行本数は現状維持。朝は増便。
・北陸新幹線やJR城端線・氷見線・高山本線、富山地方鉄道線等との乗り継ぎ利便性が確保されるようにダイヤを調整する。
・泊-金沢間に521系の快速列車を運行。泊発が朝、金沢発が夕方。
・金沢-富山間は1日上下計57本の直通列車を運転。毎時2~3本。
・JR城端線は1日11往復が富山駅まで乗り入れ。毎時1本。
・富山-糸魚川間はラッシュ時に1日2往復の直通列車を運転。その他は泊駅で乗換え。
・新潟県会社は、糸魚川-泊間はディーゼル車両1両または2両での運転。
・ICOCAを導入。