函館線・長万部~小樽間は全区間バス転換へ。小樽市が廃止容認

余市町も万策尽きて

北海道新幹線の並行在来線について、小樽市が余市~小樽間のバス転換を容認する方針を固めました。これにより、同区間の鉄道存続は困難になり、長万部~小樽間の「山線」全区間がバス転換となりそうです。

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三者協議で正式表明へ

北海道新幹線は、新函館北斗~札幌間の延伸工事が進められています。開業時には、並行在来線である函館線・函館~小樽間287.8kmがJR北海道から経営分離される予定で、この区間を鉄道として残すか、バス転換をするかが議論されています。

このうち長万部~余市間については、すでに沿線自治体が鉄道廃止とバス転換を容認しています。余市~小樽間については、沿線自治体の余市町が存続を主張する一方、小樽市が態度表明を保留しており、最終決定は持ち越されてきました。

この問題について、余市町、小樽市、北海道の三者協議が3月26日に開かれます。各社報道によりますと、協議を前に小樽市が廃止容認の方針を固め、協議の席上で正式表明する見通しとなりました。

函館線H100型

余市町の奮闘実らず

余市~小樽間を鉄道で残す場合、年間約5億円の赤字が見込まれ、沿線自治体が負担をしなければなりません。このため、小樽市が廃止を容認した鉄道を余市町の意向で維持するのであれば、余市町が単独で巨費を負担しなければならなくなります。

しかし、それは不可能なので、小樽市が鉄道廃止を容認するならば、余市町もバス転換を受け入れざるを得なくなるでしょう。存続へ向けて奮闘してきた余市町ですが、万策尽きた形です。

結果として、函館線「山線」と呼ばれる長万部~小樽間の全区間が廃止になる見通しとなりました。最終的な結論は、三者協議後に改めて開催される「北海道新幹線並行在来線対策協議会」で決定します。

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函館~長万部間は?

北海道新幹線並行在来線のうち、残る函館~長万部間については、貨物列車が多数運行しているため、鉄道そのものは維持される見込みです。

しかし、新函館北斗~長万部間は普通列車の利用者が著しく少ないため、沿線自治体の多くは、巨額の財政負担をしてまで旅客列車を残すことに消極的です。したがって、新幹線開業後、旅客列車が廃止となる可能性もあります。

ただ、この区間は議論が煮詰まっておらず、結論が出るのはもう少し先になりそうです。(鎌倉淳)

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