関西空港への特急「はるか」が、2023年春から大阪駅に停車します。大阪駅から関西空港までが47分で結ばれ、空港利用者には便利になりそうです。
大阪駅地下ホームに
JR西日本は、大阪駅北側のうめきたエリアに地下ホームを建設する工事を進めています。開業予定は2023年春で、同社はこのほど、この地下ホームに発着する列車の運行計画を発表しました。停車するのは、特急「はるか」と「くろしお」などです。
特急「はるか」は、現在、おもに京都~関西空港間を運行していて、全ての列車が新大阪駅に停車します。しかし、大阪駅には停車しません。新大阪駅から「東海道線支線」を経由して大阪環状線に入り天王寺駅に向かうため、大阪駅を経由しないのです。
JR西日本では、この東海道支線を地下化する工事を進めていて、すでに線路は完成しています。地下化に合わせて設置されるのが大阪駅のうめきたエリアの地下ホームです。「はるか」「くろしお」が、この地下線経由になるため、大阪駅の地下ホーム停車が実現するわけです。
地上ホームからは離れて
地下ホームのできる大阪駅うめきたエリアには、「うめきた地下口」という改札口を設置します。既存ホームとは、改札内連絡通路で結ばれます。
この改札内地下通路で連絡するのは、大阪駅の西口です。桜橋口よりさらに西側のエリアです。
ということで、「はるか」と「くろしお」が大阪駅に停車するのは確かですが、JR大阪駅の地上ホームから離れた地下の話なので、利用の方は注意が必要です。
とくに、阪急梅田駅や大阪メトロ御堂筋線梅田駅からは、だいぶ離れています。御堂筋線利用者が関西空港に向かうなら、なんばから南海「ラピート」を使う方がラクかも知れません。
大阪~関空47分
新たな運行計画では、特急「はるか」の大阪~関西空港間は47分となります。空港リムジンバスを使った場合、梅田(新阪急ホテル)~関西空港間が50分ですので、速達性でリムジンバスを上回ります。定時性でも鉄道が優れているので、2023年春のダイヤ改正で、梅田エリアから関西空港へ、速達性と安全性を兼ね備えた交通アクセスが誕生することになります。
運行本数でも、特急「はるか」は、1日30往復が設定されていて、おおむね30分間隔の頻繁運行です。利便性が大きく上がるため、今後、キタや北摂エリアから関西空港へは、「はるか」シフトが起きることでしょう。
特急「くろしお」の大阪~和歌山間は57分となります。梅田エリアと和歌山駅が1時間を切るという意味では、和歌山市民にとっては歴史的なことでしょう。「くろしお」は1日18往復が大阪駅に停車します。
「関空・紀州路快速」は変わらず?
現在、大阪~関西空港・和歌山間には、大阪環状線ホーム発着の「関空快速」「紀州路快速」が運行しています。
大阪~関西空港間が1時間7分、大阪~和歌山間が1時間30分ですので、「はるか」「くろしお」の大阪駅停車により、関西空港まで20分、和歌山では33分の大幅短縮が実現することになります。
「関空快速」「紀州路快速」については、大阪駅うめきたエリア開業後、地下ホームに移るという情報はありません。現在の大阪環状線ホーム発着は変わらないようなので、利便性が下がることはなさそうです。
なにわ筋線乗り入れも
新ホームには、将来、なにわ筋線も乗り入れる計画です。なにわ筋線が開通したら、特急「はるか」「くろしお」は、大阪駅地下ホームから、そのまま地下でJR難波駅に向かい、阪和線に入ります。関西空港までの所要時間はさらに短縮され、約40分程度なると見込まれています。
南海の空港特急「ラピート」もなにわ筋線への乗り入れが予定されていて、大阪駅地下ホームは、「はるか」「ラピート」がそろい踏みする見通しです。
両列車をあわせて、梅田エリアから関西空港まで、毎時4本の特急列車が運行されることになり、空港利用者の利便性はますます高まるでしょう。
なにわ筋線の開業予定は2031年春。こちらもおおいに楽しみです。(鎌倉淳)