阪急バス「梅田撤退」の衝撃。運転手不足、免許維持もせず

三宮駅前からも

阪急バスが4路線を11月6日に廃止します。梅田や三宮から、阪急の一般路線バスの全路線が撤退します。

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4路線を11月6日廃止

阪急バスは、運行する4路線を2023年11月6日に廃止すると発表しました。

廃止するのは、空港宝塚線(宝塚駅~大阪国際空港)、阪北線(阪急園田~梅田)、三宮有馬線(三宮駅前~有馬温泉)、豊中西宮線(阪急石橋~西宮北口、阪急豊中駅~西宮北口)の4路線5系統です。

4路線の廃止にともない、あわせて33箇所の停留所も廃止します。

廃止理由は運転手不足です。阪急バスは、「運送業界全体で運転者の確保が問題となっており、その対応を目的に実施する」としています。

阪急梅田駅

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廃止路線と廃止停留所

廃止路線と廃止停留所の概要は以下の通りです(画像は全て阪急バスの路線図より)。

◆空港宝塚線
廃止区間:宝塚駅~大阪国際空港
廃止停留所:久代三丁目
運行本数:宝塚発7便、大阪空港発6便
阪急バス90路線図

◆阪北線
廃止区間:梅田~十三~上津島~阪急園田駅
廃止停留所:梅田、阪急三番街、ちゃやまち、済生会病院前、中津六丁目、十三、淀川警察署前、野中南二丁目、野中北一丁目
運行本数:平日14往復、土休日12往復
阪急バス11路線図

◆三宮有馬線
廃止区間:三宮駅前~有馬温泉(太閤橋)
廃止停留所:三宮駅前、新神戸駅前、上谷上、花山東町、花山駅、大池見山台、大池駅、神鉄六甲駅、唐櫃台駅、有馬口駅、水無、有馬西口
運行本数:5往復
※神姫バスの同路線2往復は2024年3月まで存続。
阪急バス6路線図

◆豊中西宮線
廃止区間:阪急石橋北口~伊丹市役所前~西宮北口、阪急豊中駅~蛍池~伊丹市役所前~西宮北口
廃止停留所:下河原、JR北伊丹、体育館・市民プール前、大鹿口、第三師団前、伊丹市役所前、伊丹病院・住友前、アルビス寺本、昆陽ノ里、髭茶屋、甲武橋東詰
運行本数:平日8往復、土休日7往復
阪急バス96,97路線図

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運転手不足を象徴

各路線ごとにみれば、運行本数は多くても毎時1本程度で、大都市圏としては少ない部類です。他のバス路線や鉄道路線が存在するエリアですので、廃止による影響は限られているかもしれません。

とはいえ衝撃的なのは、梅田という、阪急の鉄道路線のターミナルから阪急バスが撤退することでしょう。阪急三番街に発着する高速バスや、阪急バスが運行する「うめぐるバス」は残りますが、一般路線バスは全て姿を消すことになります。

三宮も神戸市内の阪急の鉄道ターミナルですが、こちらも阪急バスが姿を消します。

ただ、大阪市には大阪シティバスがあり、神戸市には神戸市バスがあります。阪急バスの主要エリアは鉄道沿線の郊外ですから、任せられる地域は他社に任せて、自らは主要エリアの路線維持に注力するということなのでしょう。

いわゆる「免許維持」もせずに、梅田や三宮といった重要ターミナルの停留所を手放してしまうことには驚かされますが、それだけ運転手不足が深刻であることを象徴しているといえそうです。(鎌倉淳)

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