「富士山~飛騨高山」のバス路線が登場。外国人向けルートだけれど、日本人が利用してもおもしろいかも

富士急グループの富士急山梨バスが「富士山~飛騨高山」を結ぶ高速バスの運行を開始します。「富士山と高山を一緒に回ろう」という発想は、日本人にはあまりないと思いますので、ほぼ外国人向けの路線といえます。でも、ちょっとおもしろそうな路線ですね。

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富士山と高山が4時間40分

この新路線は、世界遺産「富士山」の河口湖エリアと岐阜県高山市を結ぶもので、「富士山・富士急ハイランド~飛騨高山線」という名称。2016年4月15日に運行を開始します。

富士急行線の富士山駅から岐阜県高山市の濃飛バスセンターまでを約4時間40分で結びます。途中、富士急ハイランドや、中央自動車道のいくつかの高速バス停(下吉田・西桂・都留・小形山)にも停車します。高山側は、平湯温泉にも立ち寄ります。

時刻表は以下の通りです。

◆富士山駅→高山
富士山駅8:00→河口湖駅8:11→富士急ハイランド8:19→(中略)→平湯温泉11:43→高山濃飛バスセンター12:43
※富士山~中央道小形山は乗車のみ
※平湯温泉・高山濃飛バスセンターは降車のみ

◆高山→富士山駅
高山濃飛バスセンター15:30→平湯温泉16:30→(中略)→富士急ハイランド19:54→河口湖駅20:02→富士山駅20:13
※高山濃飛バスセンター・平湯温泉は乗車のみ
※中央道小形山~富士山は降車のみ

◆運賃
大人 片道:5,000円 往復:9,000円
こども 片道:2,500円 往復:5,000円(往復割引なし)

高山

外国人観光客向けの路線

「富士山麓から飛騨高山」という観光ルートは、日本人の発想ではあまり出てこないでしょう。となると、この路線は外国人向けです。実際、富士急のプレスリリースにも、以下のように記されています。

「富士山世界遺産登録後、富士山・富士五湖地域には外国人観光客を中心に多くの旅行者が訪れるようになる中で、『日本滞在中は多くの観光スポットを巡りたい』というニーズがありました。特に、世界遺産白川郷や飛騨高山の古都の風景は外国人観光客に人気があり、富士山・富士五湖地域と飛騨高山地域を結ぶ広域観光への需要に対応するため当路線を運行することとなりました。」

最近、外国人旅行者をターゲットとした高速バス路線が増えています。とくに成田空港発着の高速バスは急増中で、2016年4月4日からは、成田空港~金沢・富山路線、成田空港~新潟路線をウィラートラベルが開設します。そのほか、冬季には成田空港から白馬への直行便がアルピコ交通などで設定されたりもしました。

今回のように、外国人に人気のある観光地どうしをつなぐ路線はまだ多くありませんが、たとえば2015年12月には、富山~白川郷~高山間のバス路線が登場しています。

日本人が旅してもおもしろい?

日本人の高速バス流動は、大都市を起点として放射状に広がるのが一般的です。それに対し、外国人観光客の流動は必ずしもそのパターンに当てはまりません。これら新路線によって、たとえば「東京~富士山~高山~白川郷~金沢」といった旅行ルートもできるわけです。

でも、これって、日本人が旅してもおもしろいかも、と思います。「いつか行きたいけれどちょっと不便」と思われている場所を結ぶのが、外国人向けバス路線の特徴となるでしょう。ならば、外国人をターゲットにした新しいバス路線が、新しい旅のルートを日本人にも提供してくれるかもしれません。(鎌倉淳)

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