「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決」第5弾函館~小樽を分析する。ぱるるが存在感を見せつけた?

私に期待しないで~♪

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」の第5弾が放送されました。太川陽介率いるバスチームと、村井美樹率いる鉄道チームが函館~小樽で競う企画です。勝負を分析してみました。

なお、以下はネタバレ100%です。あらかじめご了承ください。(文中敬称略)

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4つのチェックポイント

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」は、ローカル路線バスを乗り継ぐチームと、ローカル鉄道を乗り継ぐチームが対決するテレビ番組です。

2020年9月23日に放送された第5弾では、ルイルイこと太川陽介をリーダーに、ぱるること島崎遥香(元AKB48)、はなわを加えた3人がバスチームを構成。鉄道チームは、「鬼軍曹」の異名をとる村井美樹をリーダーに、井上咲楽、平子祐希(アルコ&ピース)を加えた3人が参加しました。

バスチームが使っていいのはローカル路線バスのみ。鉄道チームが使っていいのはローカル鉄道のみです。ただし、両者とも1万円までタクシーが利用できます。

第5弾のスタートは函館市の五稜郭で、ゴールは小樽市の天狗山展望台。途中、函館朝市、七飯町の函館大沼プリンスホテル「そらの家」、洞爺湖町のレークヒルファーム、余市町のうに乃世壱屋という4箇所のチェックポイントを経て、1泊2日でのゴールを目指します。先にゴールしたチームが勝ちとなります。

バスvs鉄道対決旅第5弾
Ⓒテレビ東京

水バラ ローカル路線バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅5 函館~洞爺湖~小樽
【出演】太川陽介、島崎遥香、はなわ、村井美樹、井上咲楽、平子祐希
【ナレーター】服部伴蔵門
【放送日】2020年9月23日 18時25分~22時00分(テレビ東京系列)

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バスチームの実際ルート

まずは、ルイルイ率いるバスチームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻をわかる範囲で確認しました。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。*はチェックポイントです。

▽1日目
五稜郭公園入口10:05(遅延10:11)→10:23函館駅前→函館朝市*→函館駅前11:19→12:29大沼公園→タクシー4.3km、1,520円→函館大沼プリンスホテル「そらの家」*→徒歩0.9km→横川13:55→15:59長万部駅前→タクシー19.7km、6,330円→黒松内温泉17:15→17:35湯別17:45→18:38岩内ターミナル18:40→19:24倶知安駅前

▽2日目
倶知安駅前06:40→07:29留寿都→徒歩6km→四の原付近→タクシー約8km、2,130円→香川付近→徒歩5km→11:30頃レークヒルファーム*→徒歩すぐ→花和入口12:19→13:01喜茂別14:00→14:45倶知安駅前14:55→15:20国富16:01→16:36大川十字街→徒歩0.3km→うに乃世壱屋*→徒歩0.3km→大川十字街17:36→18:15小樽駅前18:15→18:32天狗山

ゴールはロープウェイに乗った天狗山山頂の展望台ですが、当記事では山麓駅をゴールとして検証します。バス停の「天狗山」はロープウェイ山麓駅近くにあります。

鉄道チームの実際ルート

つぎに、鬼軍曹率いる鉄道チームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻を示しています。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。

▽1日目
五稜郭公園前電停10:09→10:26函館駅前電停→函館朝市*→函館駅12:31→13:17赤井川駅→徒歩3km→函館大沼プリンスホテル「そらの家」*15:00頃→タクシー5.9km、1,840円→大沼駅15:14→17:52長万部駅19:28→20:11洞爺駅→宿送迎→洞爺観光ホテル

▽2日目
洞爺観光ホテル07:00→徒歩8.9km→09:50頃レークヒルファーム*11:55頃→徒歩13km→三ノ原郵便局付近14:10頃→タクシー26.1km、7,240円→14:40頃ニセコ駅14:42(約30分遅延)→14:58(遅延詳細不明)倶知安駅16:45→17:39余市駅→徒歩1km→うに乃世壱屋*→徒歩1km→余市駅18:36→19:02小樽駅

鉄道チームはゴールの天狗山までたどり着けずに、小樽駅にてルイルイらに呼び止められ、「試合終了」となりました。鬼軍曹一行の残金は少なく、小樽駅からタクシーに乗っても天狗山ロープウェイ山麓駅まで行けないことから、夜道を歩かせる危険性を避けるため、敗戦宣告したのかもしれません。

実際に、鉄道チームが天狗山へ向かっていたら、山麓駅の到着時刻は19時30分頃になったと思われます。バスチームに約1時間差で敗れた計算です。

両者のとったルートについて、検証してみましょう。なお、タクシー代の概算はナビタイムのタクシー料金検索に依拠しています。同検索は距離運賃のみで時間運賃を考慮していないので、実際はこれより少し高くなることが多いようです。

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大沼でタクシーを使わない方法

まず、バスチームです。ルイルイ一行は函館駅前11時19分のバスに乗りましたが、これより早く出る大沼方面のバスはありません。したがって、五稜郭から函館朝市に至るまでの時間のロスは、その後の行程に影響しません。そのため、この後は全て函館駅出発で検証します。

一行は、バスで大沼公園に至り、函館大沼プリンスホテルまでタクシーを使いました。ただ、序盤の平坦なエリアでタクシーを使ったのは、ちょっともったいない印象も受けました。これを避ける方法はなかったのでしょうか。


※Googleマップのルートは概略です。実際に一行がたどったルートと同じとは限りません(以下同)。

調べてみると、新函館北斗駅~函館大沼プリンスホテル間にバスが出ています。それを活用すると、次のように乗り継げます。

▽1日目
函館駅前11:19→12:11新函館北斗駅12:40→12:58函館大沼プリンスホテル前

実際ルートでプリンスホテルについたのは13時10分ですので、それよりも早く到着できます。これにより、1,520円のタクシー代を節約できます。

新函館北斗駅~函館大沼プリンスホテルのバスの情報を、ルイルイは函館駅前の案内所で得ることができませんでした。その理由は、ルイルイは案内所で目的地を「大沼公園」と伝えて尋ねたからでしょう。もし、「函館大沼プリンスホテルへ行く」と伝えていれば、案内所で情報を得られたかもしれません。

また、大沼公園までの路線は函館バスですが、プリンスホテルへのバスは大沼交通という違う会社であることも、情報が得られにくかった原因かもしれません。いずれにせよ、プリンスホテルへ直行するバス情報を得られていれば、函館駅前11時19分発のバスを新函館北斗駅で降りて、乗り換えることができたはずです。その点で、ちょっともったいなかったです。

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横川で乗り遅れていたら

次のポイントは、長万部へのバスです。ルイルイ一行は、プリンスホテルから1kmほど離れた横川というバス停から長万部行きのバスに間一髪で飛び乗りました。

もし、これに乗り遅れていたらどうなっていたでしょうか。「そらの家」での撮影ミッションがうまくいかなければ、乗り遅れも十分にありうる状況でした。

▽1日目
横川17:00→19:04長万部駅前

▽2日目
長万部駅→タクシー19.7km、6,330円→黒松内温泉07:25→07:45湯別08:20→09:13岩内ターミナル09:20→10:04倶知安駅前11:05→11:54留寿都12:10→12:38花和入口→徒歩すぐ→レークヒルファーム→徒歩すぐ→花和入口17:19→18:01喜茂別18:25→19:10倶知安駅前

このように、長万部以降で実際ルートをたどった場合、レークヒルファームにつくのが12時半すぎ。実際ルートで利用した花和入口を12時19分に出るバスには間に合いません。

次の留寿都、喜茂別方面へのバスは夕方までなく、一行は黒松内までにタクシー代の大半を使い果たしていることから、レークヒルファームで身動きがとれなくなっていたことでしょう。夕方のバスに乗ったとしても、倶知安まで乗り継いだあたりでギブアップとなっていたと推測できます。

打開策として、花和入口で待たずに、洞爺湖温泉バスターミナルまで徒歩とタクシーでたどり着くかもしれません。それでも、伊達経由で倶知安に着くのはやはり夜で、ゴールするのは難しそうです。

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礼文華ルート

実際ルートに戻りましょう。今回、バスチームの最大の分岐点は長万部でした。案内所で聞き込んで、黒松内方面へ向かうか、洞爺方面へ直行するかで、ルイルイは深く悩みます。方向的には洞爺方面が順当ですが、長万部駅から洞爺湖温泉までは、国道37号線経由で48kmもあります。

一行はタクシー代をすでに1,520円使っていますので、残りは8,480円。北海道のタクシー運賃は安いとはいえ、この金額でタクシー移動できるのは20kmあまりです。バスがなければ、残りの20km以上を歩かなければなりません。

さすがのルイルイもこれには躊躇します。最終的には黒松内までタクシーを使って乗り継ぐルートを教えてもらい、そちらを選択しました。このとき、距離の短い洞爺湖方面へタクシーで突き進んでいたらどうなっていたでしょうか。

じつは、途中の礼文華まで行けば、豊浦町の町営バスがあります。一行は16時頃に長万部にいましたので、そこから礼文華までタクシーを飛ばしたとして、次のように乗り継げます。

▽1日目
長万部16:30頃→タクシー24.3km、概算8,020円→国道入口(礼文華)19:20→19:48豊浦駅20:39→21:05洞爺湖温泉

▽2日目
洞爺湖温泉09:30→09:39花和入口→徒歩すぐ→レークヒルファーム

このように、1日目に国道入口(礼文華)からのバスを捕まえられれば、洞爺湖温泉に到着できます。一行のタクシー代の残金は8,500円程度でしたので、長万部~礼文華間の全てをタクシーで乗り切れるかは微妙ですが、最後に少しばかり歩けば、国道入口を19時20分に出るバスには間に合うでしょう。

1日目に洞爺湖温泉に宿泊できれば、2日目はバスで朝10時前にレークヒルファームに難なく到着できます。これより早いバスもありますが、番組では、レークヒルファームは朝10時オープンの設定のようでしたので、急ぐ必要はありません。

その後、花和入口発の留寿都・喜茂別方面のバスは12時19分発札幌行きまでないため、10時にレークヒルファームに着いていたとしても、以降は実際ルートに収斂します。

この乗り継ぎでわかるように、長万部~礼文華ルートを発見できていれば、実際ルートのように倶知安を経由せずにレークヒルファームに到達できます。

ただ、豊浦町営バスは、ネットの乗り継ぎ検索には出ず、町のウェブサイトに時刻表が掲載されているだけです。机上で調べても本当に運行しているのか不安に思うくらいですので、見つけ出すのは難しかったのかもしれません。

乗り遅れても大丈夫だった

話をさかのぼると、1日目、大沼のそらの家で撮影に手間取っても、礼文華ルートを発見できていれば、以下のように乗り継げました。

▽1日目
横川17:00→19:04長万部駅前

▽2日目
長万部駅6時→タクシー24.3km、概算8,020円→国道入口(礼文華)07:24→07:58豊浦駅08:54→09:39花和入口

このように、やはりレークヒルファームに10時前に到達できます。つまり、横川13時55分発のバスは、ゴールへの必要条件ではなく、次の17時発でも挽回は可能でした。

とはいえ、長万部に19時について、案内所も閉まっている状況で豊浦町営バスを発見し翌朝6時に出立するというのは、かなりの難事に思えます。やはり横川でバスに乗り遅れていたら、かなり厳しい状況になっていたことでしょう。

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留寿都で待っていたら

実際ルートに戻りましょう。

ルイルイ一行は黒松内から岩内を経て、1日目夜は倶知安に泊まりました。2日目は倶知安を06時40分に出る始発バスで留寿都に向かいます。しかし、留寿都から洞爺湖方面の路線バスは、13時18分までないことを知ります。そんなに待てないと判断したルイルイは、留寿都から徒歩とタクシーを組み合わせてレークヒルファームへ向かいました。

この歩きは、今回のバスチーム最大の徒歩区間となりました。留寿都から四の原付近まで6km歩き、その後、レークヒルファームから札幌行きのバス時刻が迫っていることに気づいてタクシーを呼びます。タクシーでは香川付近まで8kmほど運んでもらいますが、そこでお金が尽き、最後はレークヒルファームまで5kmほど歩きました。

では、仮に、留寿都でバスを13時18分まで待っていたらどうなっていたでしょうか。このバスは13時42分に花和入口に着きます。

実際ルートでは花和入口を12時19分に出る札幌行きのバスで喜茂別方面へ向かっています。この次の喜茂別方面行きバスは夕方までありません。

つまり、留寿都13時18分発のバスに乗ってしまうと、レークヒルファームに到着後、喜茂別方面へ引き返すバスは夕方までありません。そのため、小樽へのゴールは不可能で、途中でギブアップしていたでしょう。

実際には留寿都を12時10分に出る札幌発のバスがあり、ルイルイも留寿都から歩き始めた途中の停留所で気づいたようです。ただ、それに乗ったとしても花和入口に着くのは12時38分なので、12時19分発の札幌行きバスに乗れないのは同じです。

タクシー代を残していないのであれば、花和入口を12時19分に出るバスに乗るのがゴールへの必須条件です。留寿都で12時までバスを待っていたら、ゴールはおぼつかなかったわけで、留寿都から長距離の徒歩をいとわず、途中でタクシー代を使い切って先を急いだルイルイの判断は間違っていませんでした。

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伊達方面へ向かっていたら

少しさかのぼりますが、ルイルイは倶知安駅を出た後、伊達経由で洞爺湖方面に抜けられることに気づきます。この「伊達ルート」についても検証してみましょう。

▽2日目
倶知安駅前07:05→09:29伊達駅前10:22→11:10洞爺湖温泉→タクシー8km、概算2,980円→レークヒルファーム

バスチームの残金は2,150円ですので、洞爺湖温泉~レークヒルファームを全てタクシーで乗り切るのは難しそう。多少歩いたとして、レークヒルファームには11時40分着くらいでしょうか。

搾乳ミッションをこなして12時19分発のバスに乗れるかは微妙ですが、ぱるるの腕前があれば間に合わなくはないでしょう。

あるいは、伊達までバスに乗らず、洞爺湖温泉に近い途中バス停で降りて歩くという可能性もあります。

▽2日目
倶知安駅前07:05→08:58滝の町→徒歩7.7km→洞爺湖温泉→タクシー8km、概算2,980円→レークヒルファーム

こちらは、タクシーを使えば、伊達経由より少し早く、おそらく11時30分頃にはレークヒルファームに到着できたとみられます。これを「滝の町ルート」と呼びます。

実際ルートで一行が徒歩とタクシーでつないだ留寿都~花和入口間が19.1km、滝の町~レークヒルファームが15.7km。同じ距離をタクシーに乗ったとして、滝の町ルートの方が、3kmほど、歩く距離を縮められる計算です。実際ルートでは約11kmを歩いていますが、滝の町ルートなら8km程度に収められたでしょう。

レークヒルファームの到着時刻は実際ルートとほぼ同じです。ぱるるの腕前で搾乳をちゃっちゃと終わらせれば、花和入口を12時19分に出るバスに間に合って、実際ルートに収斂しそうです。

こうして見ると、倶知安で伊達行きのバスに乗らなかったのは、ミスとまではいえないまでも、歩く距離を減らす可能性があったという点で、少しもったいなかったといえそうです。

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札幌まで行っていたら

実際ルートに戻りましょう。花和入口を12時19分に出たバスは、道南バスの札幌洞爺湖線の札幌行きです。この路線は予約制です。したがって、「ローカル路線バスの旅」シリーズでは扱いが微妙ですが、今回はとくにナレーションもなく、予約を問われる場面もありませんでした。

予約なしでも空席があれば乗車可能なようですし、このバスを使わないとゴール困難な設定だったため、前提として利用可能だったと考えてよさそうです。

ルイルイは、当初、このバスで札幌まで出ることを考えていました。ところがはなわの聞き込みで喜茂別から倶知安へ出るルートを知ると、方針を変えました。もし、当初計画通り、札幌に出ていたらどうなっていたかも気になります。

▽2日目
花和入口12:19→14:50札幌駅前15:03→15:44宮の沢駅16:16→17:29小樽駅前17:40→18:22大川6丁目→徒歩0.1km→うに乃世壱屋→徒歩0.1km→大川6丁目19:26→20:02小樽駅前20:25→20:41天狗山

余市に到着するのは実際ルートより約2時間遅れの18時半頃になり、天狗山ゴールは20時41分です。ロープウェイの最終便が20時48分ですので、展望台に上がれるギリギリのタイミングでした。

つまり、札幌を経由しなかったことは大正解で、喜茂別乗り換えルートを聞き込んだ、はなわのファインプレーといえます。

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バスチームの最適解

ここまでの情報を整理してみると、バスチームの最適解は、函館大沼プリンスホテルまでタクシーを使わず、長万部から豊浦に抜けるルートになりそうです。以下のようになります。

▽1日目
函館駅前11:19→12:11新函館北斗駅12:40→12:58函館大沼プリンスホテル前→徒歩すぐ→函館大沼プリンスホテル「そらの家」→徒歩0.9km→横川13:55→15:59長万部駅前→タクシー24.3km、概算8,020円→国道入口(礼文華)19:20→19:48豊浦駅20:39→21:05洞爺湖温泉

▽2日目
洞爺湖温泉09:30→09:39花和入口→徒歩すぐ→レークヒルファーム→徒歩すぐ→花和入口12:19→13:01喜茂別14:00→14:45倶知安駅前14:55→15:20国富16:01→16:36大川十字街→徒歩0.3km→うに乃世壱屋→徒歩0.3km→大川十字街17:36→18:15小樽駅前18:15→18:32天狗山

このルートなら、長万部~礼文華間にタクシー代を全額突っ込み、あとはバスだけで乗り継げます。歩く区間はほとんどありません。

レークヒルファームは午前10時オープンという制約があったようなので、バスチームが12時19分発より早いバスで花和入口を離れることはできません。そのため、実際ルートより早い時間に天狗山にゴールすることはできないようです。

つまり、ルイルイ一行は途中で大回りしたとは言え、最終的には、実現可能な最速でゴールしました。

[次ページに続きます]

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