「四国満喫きっぷスペシャル プラス」の研究。「おトクーポン券」をどう使う?

観光するか、乗り鉄に徹するか

JR四国が「四国満喫きっぷスペシャル プラス」を発売します。9月で発売終了となる「四国満喫きっぷスペシャル」の内容を少し変更して値上げしたものです。駅窓口10,000円、ネット10,500円という破格値で、四国全線が乗り放題になり、クーポンもついてきます。使いこなし方を研究してきました。

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3日間乗り放題は変わらず

「四国満喫きっぷスペシャル」は、2020年の10月~1月に、JR四国全線などが連続3日間乗り降り自由になるきっぷです。7~9月まで発売していた「四国満喫きっぷスペシャル」の内容を一部変更して、継続発売するものです。

JR四国全線(児島~宇多津間を含む)と土佐くろしお鉄道全線の特急・普通列車の普通車自由席が利用可能。阿佐海岸鉄道全線とJR四国バスの大栃線(土佐山田~美良布)と久万高原線(松山~砥部~久万高原)も乗車できます。

「四国満喫きっぷスペシャル」からの変更点としては、価格を2,000円値上げしたことと、「選べる おトクーポン券」が着いてくることです。このおトクーポン券が、「プラス」を理解するカギなのですが、それについては後述します。

「四国満喫きっぷペシャル プラス」は、駅窓口発売の商品と、JR四国ツアーのインターネット発売の商品があります。駅窓口発売は、アンケートの協力が購入条件で、利用日当日に購入することもできます。インターネットは出発日の6日前までの発売です。概要は以下の通りです。

■「四国満喫きっぷスペシャル プラス」概要
●発売期間 2020年10月1日~2021年1月29日
 ※駅窓口用は利用当日まで発売、ネットは6日前まで発売
●利用期間 2020年10月1日~2021年1月31日
 ※土曜・日曜・祝日を1日以上含む連続した3日間で利用可能。
 ※1月29日出発分まで発売。
●有効期間 連続する3日間
●価格 大人10,000円(みどりの窓口)、10,500円(ネット)、小児3,000円(窓口、ネット)。レンタカーセットプランは大人12,500円(ウェブ)。
 ※小児は大人と同一行程の場合のみ発売とし、小児のみでは利用不可。
●発売場所 四国各駅のみどりの窓口、ワープ支店、駅ワーププラザ及び四国内の主な旅行会社。またはウェブサイト「JR四国ツアー」(http://www.jr-eki.com/)

四国満喫きっぷスペシャルプラス
画像:JR四国ツアー

4割引で販売

JR四国には、「四国フリーきっぷ」という通年発売の乗り放題きっぷがあります。こちらは、連続3日間有効で大人16,440円、子ども8,070円です。

「四国満喫きっぷスペシャル プラス」(みどりの窓口発売)は連続3日有効で大人10,000円、子ども3,000円ですので、同じ有効期間で価格は4割引という破格値です。しかも、「四国フリーきっぷ」ではフリー区間に含まれない、阿佐海岸鉄道にも乗車できます。

夏に発売された「四国満喫きっぷスペシャル」よりも2,000円値上げされたとはいえ、3日間で10,000円ですから、1日あたり3,333円で特急乗り放題です。おトクさは失われていません。子どもの場合は1日あたり1,000円ですから、片道500円の区間を3日間通うだけで元が取れる計算です。ただし小児単独発売はありません。

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「選べる おトクーポン券」の使いこなし方

「四国満喫きっぷスペシャル プラス」の特徴は、「選べる おトクーポン券」がついていると言うこと(小児除く)。このクーポン券は、「四国旅ぱす。」ポイント引換券または「四国キヨスク1,000円利用券」のどちらか一つを選べます。

「四国旅ぱす。」は、6ポイント分が利用可能です。四国の主要な観光施設に入場可能なクーポンと考えればいいでしょう。たとえば、四国水族館は4ポイント、マイントピア別子は2ポイントで入館・入場が可能です。

四国水族館の入館料は定価で2,200円ですので、仮に同水族館に入館する場合、「四国満喫きっぷスペシャル」からの2,000円の値上げ分を取り返せてしまいます。さらに、たとえばマイントピア別子(入館料定価1,300円)に入れば、「プラス」のほうがお得といえます。

このように、「四国旅ぱす。」に参加している観光施設を訪問するならば、「四国満喫きっぷスペシャル プラス」は、神がかり的に安いきっぷとなります。

「四国旅ぱす。」の参加施設はこちら(公式サイト)。

一方、観光をしない「乗り鉄」目当ての人は、「選べる おトクーポン券」を「四国キヨスク1,000 円利用券」に引き替えればいいでしょう。駅構内のキオスクやセブンイレブンで、1,000円分の金券として利用できます。この場合、「四国満喫きっぷスペシャル」からの実質値上げ額は1,000円となります。

どういう使い方をするのかは、お好み次第。ひたすら3日間、四国の鉄道に乗りまくるもよし。話題の四国水族館に足を伸ばすなどして観光をするもよし。利用者の好みにあわせて使いこなしたいフリーきっぷといえそうです。

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