磐越西線・会津若松~喜多方間を非電化に。JR東日本が地元に打診

ついにはじまった

磐越西線の会津若松~喜多方間を非電化にする計画が明らかになりました。JR東日本が、喜多方市に計画を打診しました。

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2022年度から撤去

磐越西線は、郡山~新津間を結ぶ175.6kmの路線で、郡山~喜多方間の81.2kmが電化されています。

福島民友2021年08月04日付によりますと、このうち会津若松~喜多方間16.6kmについて、電化設備を撤去して非電化にする計画があることを、JR東日本が喜多方市に伝えました。2022年度から「架線や電柱、配電線などを順次、撤去していく計画」とのことです。

会津若松~喜多方間の2020年度の輸送密度は1,509人キロにとどまり、2019年度の1,790人キロから15%減少しています。1987年度は3,987人キロだったので、民営化後30年余で3分の1にまで減ってしまったことになります。

すでに、会津若松~喜多方間の定期運行の「電車」は1日2往復にまで縮小しており、他は気動車の運行です。こうした状況を受け、JR東日本は電化設備がないほうが効率的に輸送することができると判断したのでしょう。

喜多方駅

構造改革として掲げる

JR東日本は、2021年3月期の決算説明会資料のなかで、構造改革の一つとして「設備のスリム化」を掲げました。

具体的には、「電車をハイブリッド車等に置き換え、架線や変電設備等を撤去」することを挙げています。技術の進歩により、非電化区間にも「電気式気動車」や「蓄電池電車」など、電車の一種を走らせることができるようになり、電化設備を維持する必要性が薄れたという判断です。

磐越西線・会津若松~喜多方間の電化設備撤去は、こうした経営方針に沿ったものといえ、「設備のスリム化」のモデルケースになりそうです。同線では、すでにGV-E400系という電気式気動車が投入されていますので、今後は同区間の主力車両になるのでしょう。

磐越西線は、郡山~会津若松間の輸送密度も1,638人キロにとどまっています。東京方面へ直通する定期列車が走っておらず、貨物列車の定期運行もない以上、同区間でも電化設備を維持し続ける必要性は乏しいという判断も可能でしょう。

ならば、長い目で見れば、将来的に磐越西線の全線で、電化設備撤去が検討される可能性もありそうです。(鎌倉淳)

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