徳島線に新しい観光列車「藍よしのがわトロッコ」がデビューします。運転開始は2020年10月10日。「四国まんなか千年ものがたり」と乗り継いで、四国の新しい観光ルートができそうです。
徳島~阿波池田で運転
JR四国は、徳島線の新しい観光列車「藍よしのがわトロッコ」を2020年10月10日に運転開始すると発表しました。運転区間は徳島~阿波池田間です。
車両は2019年まで観光列車「志国高知 幕末維新号」で使われていたキクハ32-501とキハ185-20の2両編成。定員は56人です。
車両の外観は、木綿地のテクスチャーをラッピング柄とした、柔らかな風合いです。深い藍「かちいろ」へと染まっていくグラデーションと、3色の流曲線とで、恵みを運ぶ吉野川の流れ、豊かで穏やかな阿波の風土を表現しています。
シンボルマークには、Ai(藍)の字体を阿波踊りの躍動感に見立てました。ヘッドマークの「藍」の文字は、徳島県阿南市在住の書家・天羽汕景の作です。
吉野川に沿って
「藍よしのがわトロッコ」は、徳島~阿波池田間を約2時間半で結びます。このうち、トロッコ車両に乗れるのは石井~阿波池田間です。吉野川に沿って走る徳島線から、窓の無いトロッコ列車で車窓風景を楽しめます。景観の良い区間では徐行運転を行います。
「藍よしのがわトロッコ」時刻表
「藍よしのがわトロッコ」は、徳島発は「さとめぐみの風」、阿波池田発は「かちどきの風」という列車名で運転します。時刻表は以下の通りです。
大歩危~阿波池田間で特急「南風」に乗車すると、土讃線の観光特急「四国まんなか千年ものがたり」(多度津~大歩危)に乗り継いで利用できます。それにより、高松方面から、土讃線と徳島線を乗り継いで大歩危に立ち寄る観光ルートになります。
なお、「四国まんなか千年ものがたり」は阿波池田を通過するので、阿波池田で両観光列車を乗り継ぐことはできません。
徳島駅弁も復活
車内では、徳島県の地酒や土産品を販売する予定です。車窓ガイドの実施や、各駅での地元産品の販売も計画しています。
また、沖縄を除く46都道府県で唯一駅弁がなかった徳島県で、「藍よしのがわトロッコ」の運行を機に駅弁が復活します。栗尾商店が販売していた駅弁「阿波尾鶏とりめし」をトロッコ列車オリジナルにアレンジし、下り阿波池田行き列車限定で販売します。価格は1,000円で4日前までに予約が必要です。
駅弁を食べながら、トロッコ列車で吉野川の景観を楽しむのもよさそうです。