東海道・山陽新幹線に、65歳以上を対象とした新たな割引商品が登場しました。「EX 65+割」と「WESTER会員限定 65+割」です。どちらも運賃部分が2割引となりますが、利用できる区間や曜日、購入方法、乗車方法などに違いがあります。それぞれの価格や使い方をみてみましょう。
2種類の「65+割」
東海道・山陽・九州新幹線で、2026年10月1日から「EX 65+割」が登場しました。同時に、JR西日本でも「WESTER会員限定 65+割」が利用できるようになりました。
どちらも65歳以上を対象に、運賃部分を2割引にする商品です。新幹線特急料金は割引されないため、運賃・料金の総額では、おおむね12%程度の割引となります。「のぞみ」「みずほ」の普通車指定席やグリーン車も対象です。
購入には会員登録と、マイナンバーカードによる事前の本人確認が必要です。利用できるのは本人のみで、同行者の分をまとめて購入することはできません。
両商品とも、現時点での設定期間は2027年3月31日までです。乗車日の1カ月前から当日まで予約でき、利用回数の制限はありません。

設定区間
「EX 65+割」は、東海道・山陽・九州新幹線の東京~鹿児島中央間が対象です。営業キロが100kmを超える区間で利用できます。
「WESTER会員限定 65+割」は、JR西日本線内の営業キロが101km以上の区間が対象です。山陽新幹線のほか、北陸新幹線、在来線特急、普通列車などでも利用できます。
「WESTER会員限定 65+割」は、在来線でも運賃の割引が適用されますので、JR西日本管内なら、新幹線と在来線特急を乗り継ぐ旅行にも利用できます。
ざっくりいうと、東海道新幹線に乗るなら「EX 65+割」、山陽新幹線と在来線を乗り継ぐなら「WESTER会員限定 65+割」、という使い分けになります。
山陽新幹線内だけを乗るなら、両方の商品が使えます。
割引価格は同じ
両商品の割引の仕組みは基本的に同じです。運賃部分を2割引にし、特急料金は通常価格となります。そのため、山陽新幹線内では、同じ区間・列車・設備なら両商品の価格は同額です。
主要区間の価格は次の通りです。
「EX 65+割」の主要区間価格
・東京~名古屋:10,020円
・東京~京都:12,490円
・東京~新大阪:12,930円
・東京~岡山:15,630円
・東京~広島:17,380円
・東京~博多:20,990円
・名古屋~広島:13,090円
「EX 65+割」「WESTER会員限定 65+割」の主要区間価格(山陽新幹線)
・新大阪~岡山:5,840円
・新大阪~広島:9,800円
・新大阪~博多:14,060円
・岡山~広島:5,840円
・岡山~博多:11,870円
・広島~博多:8,590円
※いずれも「のぞみ」「みずほ」の普通車指定席、通常期、大人片道の価格。
東京~新大阪間の場合、通常14,720円が12,930円となり、1,790円、約12.2%安くなります。新大阪~博多間では、通常16,020円が14,060円となり、1,960円、約12.2%の割引です。
利用日
両商品で大きく異なるのが、利用できる曜日です。
「EX 65+割」は、原則として月~木曜日を中心とする指定日に利用できます。金・土・日曜日は対象外で、月~木曜日でも利用できない日があります。祝日も含めて対象日が個別に設定されており、具体的な利用日は公式サイトのカレンダーで確認できます。
一方、「WESTER会員限定 65+割」には、曜日の制限がありません。金曜日や土日祝日にも利用できます。ただし、12月28日~1月6日の年末年始は利用できません。
山陽新幹線内では両商品とも価格は同じです。そのため、曜日の制限が少ない「WESTER会員限定 65+割」のほうが、利用しやすいでしょう。
購入方法
「EX 65+割」は、「スマートEX」または「エクスプレス予約」で販売されています。スマートEXは年会費無料で、クレジットカードを登録すれば利用できます。エクスプレス予約は年会費1,100円が必要です。
購入前に、EXアプリでマイナンバーカードを読み取り、本人確認情報を登録します。登録後は、スマートEXやエクスプレス予約で対象列車を検索し、割引商品を選んで購入します。
一方、「WESTER会員限定 65+割」は、JR西日本の「e5489」で販売されています。年会費無料のWESTER会員に登録し、WESTER会員サポートページでマイナンバーカードによる本人確認を済ませる必要があります。
どちらもインターネット予約限定の商品です。駅の窓口で直接購入することはできません。
乗車方法
「EX 65+割」は、チケットレス専用商品です。予約時に指定した交通系ICカードなどを新幹線改札機にタッチして乗車します。紙のきっぷを受け取ることはできません。
一方、「WESTER会員限定 65+割」は、予約後に紙のきっぷを受け取る必要があります。JR西日本の「みどりの券売機」や「みどりの窓口」などで受け取り、改札機にきっぷを通して乗車します。
注意したいのは、「WESTER会員限定 65+割」のきっぷを受け取れるのがJR西日本の駅に限られることです。他のe5489のチケットと異なり、JR東海やJR九州などの駅では受け取れません。
その他の違い
そのほか、途中下車や予約変更、発売席数にも違いがあります。
「EX 65+割」は途中下車ができません。途中駅で新幹線改札を出ると、その先の区間は無効となります。
一方、「WESTER会員限定 65+割」は、乗車券については、通常のきっぷの規則に従って途中下車できます。たとえば、新幹線と在来線特急「やくも」を乗り継ぐ旅行では、岡山駅で改札口を出ることもできます。特急券は途中下車すると前途無効になります。
予約の変更については、「EX 65+割」は改札入場前で予約列車の発車時刻までなら、所定の条件内で何度でも無料で変更できます。
「WESTER会員限定 65+割」も、クレジットカード決済で紙のきっぷを受け取る前なら、インターネットで変更できます。ただし、紙のきっぷを受け取った後は変更できず、別の列車に変更する場合は、原則として新たなきっぷを購入する必要があります。
発売席数にも違いがあります。「EX 65+割」は、割引用の発売席数が限定されています。指定席に空席があっても、割引商品を購入できない場合があります。
一方、「WESTER会員限定 65+割」には、EXのような割引専用の発売席数制限は告知されていません。希望列車の指定席に空席があることが購入の条件となります。(鎌倉淳)




















