JR根室線の富良野~新得間が、2024年3月末を以て廃止となりそうです。JR北海道が沿線自治体に提案しました。
5区間の最後
JR根室線の富良野~新得間は、JR北海道が2016年にバス転換の方針を示した5区間のひとつです。
5区間のうち、石勝線新夕張~夕張間、札沼線北海道医療大学~新十津川間、日高線鵡川~様似間の3区間は、すでに廃止されています。
残る留萌線と根室線富良野~新得間についても、廃止されることは決まっています。ただし、根室線のみ、廃止日が決まっていませんでした。
20億円の支援金
この区間について話し合うJRと沿線自治体の会合が3月6日に開かれ、JR北海道が2024年3月末を以て鉄道を廃止し、4月1日よりバス転換する日程を正式に提案しました。自治体側は持ち帰り、早ければ3月中にもJRと正式に合意します。
会合は非公開で行われましたが、終了後、富良野市の北猛俊市長が取材に応じ、JR側から廃止日についてと、支援金として約20億円を支払う提案があったことを明らかにしました。
支援金は、代替バス車両の購入費やバス停設置といった初期費用のほか、18年間分の赤字想定額を補塡するものです。
幾寅駅も姿消す
廃止区間のうち、東鹿越~新得(上落合信号場)間は、2016年8月の台風被害により長期不通になっています。したがって、2024年3月末の最終日まで運行されるのは富良野~東鹿越間に限られ、東鹿越~上落合信号場間は復旧されないまま運行終了となります。
運休中の区間には、映画『鉄道員』のロケで有名になった「幾寅駅」もあります。映画では廃止を目前に控えた駅という設定でしたが、現実では、災害不通で列車が来ないまま廃止に追い込まれるという、映画にもない厳しい終幕となります。
滝川~根室間の根室線は富良野~新得間で永久に分断されます。幾寅駅の立地する南富良野町では、鉄道駅がなくなります。(鎌倉淳)