都営地下鉄大江戸線の大泉学園町延伸について、東京都が事業化へ向けた検討会を設置します。駅位置など計画内容をみてみましょう。その先、東所沢までの延伸についても触れてみます。
都庁内に検討組織
都営地下鉄大江戸線は、都心部の環状部と、都庁前~光が丘間の放射部で構成される路線です。このうち放射部について、光が丘から大泉学園町を経て東所沢まで延伸する計画があります。
2016年4月20日の交通政策審議会答申第198号「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」では、この延伸計画について、「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」と記載されました。
答申を受け、東京都では大江戸線を含む鉄道路線の建設に向けて「東京都鉄道新線建設等準備基金」を創設。調査や協議を進めてきました。
そして2023年2月21日の東京都議会本会議で、小池百合子都知事は、大江戸線の大泉学園町までの延伸について庁内検討組織を立ち上げることを表明。2023年度から本格的な検討を開始することを明らかにしました。
収支採算性など検討
小池都知事は、「大江戸線の延伸は区部北西部と都心部とのアクセスを向上させる意義はあるが、鉄道事業として成り立つためには、収支採算性の確保を十分見定める必要がある」と述べたうえで、「練馬区と連携を図って協議、調整を重ねながら、課題解決の方策や今後の進め方について検討を深める」と説明しました。
大泉学園町までの事業化に向けて、収支採算性や費用対効果といった必要不可欠な調査を実施するために、都庁内に検討組織を作るということです。
導入空間整備は進む
計画区間となる光が丘~大泉学園町間3.2kmでは、すでに導入空間となる道路整備が進んでいます。
笹目通りから大泉学園通りに至る都市計画道路補助230号線という都道です。すでに光が丘から笹目通りを経て、外環道手前の別荘町通りまでの区間は交通開放されていて、大泉学園町まで残り約1.9kmの整備を残すのみとなっています。
この道路の地下に、大江戸線を通すという計画です。
途中3駅の位置は?
途中駅として、土支田駅、大泉町駅、大泉学園町駅(いずれも仮称)の3駅が設置されることが決まっていて、延伸エリアのまちづくり計画も進んでいます。
新駅の位置を詳しく見てみましょう。
土志田駅は、地蔵通りとの交点付近で、高松幼稚園西バス停前に駅前広場予定地が確保されています。
大泉町駅は、外環道との交点付近で、もみじやま公園の南側です。
終点の大泉学園町は、大泉学園通りとの交点付近で、ヤマダデンキの横に駅前広場予定地が確保されています。西武池袋線大泉学園駅から北2kmほど離れた位置です。
開業後、大泉学園町駅から新宿駅までの所要時間は約30分と見積もられています。