全国旅行割が10月11日より開始されます。旅行代金の40%が割引になる、政府の旅行支援策です。
最大11,000円を補助
岸田文雄首相は、2022年9月22日に、「全国旅行割(全国旅行支援)」を10月11日から開始すると発表しました。
全国旅行割は、都道府県ごとの観光支援策として実施中の「県民割」を全国に広げるものです。
割引率は、一律で旅行代金の40%。1名1泊あたりの割引上限額が決められていて、新幹線や飛行機を使ったツアーのように、公共交通機関の移動を含む旅行商品の場合は8,000円。その他の場合は5,000円です。
また、土産店・飲食店などで使える地域共通クーポンも付き、平日3,000円、休日1,000円です。合計すると1人あたり最大実質11,000円が補助されます。
割引を受けるには、ワクチン3回接種済または PCR検査の陰性結果の証明などが必要です。
1年10ヶ月ぶり
全国旅行支援の実施は、当初、2022年6月17日に公表されました。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染者数が急増したことから、実施を延期。8月25日に、感染状況の改善が確認できれば速やかに実施することを発表していました。
コロナの新規感染者数が減少傾向にあることから、10月11日からの実施を決めたようです。
全国規模の旅行支援策は、GOTOトラベルが2020年12月に一時中止して以来、1年10ヶ月ぶりです。全国旅行割の詳細は近く発表される見通しです。
新幹線の割引きっぷを探すより
全国旅行割では、鉄道や飛行機を含めたパッケージツアーが割引対象になります。このため、たとえば東京から京都や大阪へ旅行する場合、新幹線の割引きっぷを探すよりも、旅行会社の宿泊プランを使った方がはるかにお得、ということになります。
たとえば東海道新幹線を使ったパッケージツアーでは、東京から京都に1泊で旅行する場合、往復新幹線とホテル込みで1泊22,000円くらいからです。
全国旅行割で40%(上限8,000円)が割引になれば14,000円で、往復の新幹線代も含まれます。片道の新幹線通常価格(13,850円)程度の金額で、往復の新幹線とホテル代をまかなえるわけです。さらにクーポンもついてきます。
ということで、全国旅行割は、観光はもちろん、出張などを含めた旅行に広く使えそう。一方で、割引に適した価格帯の宿は予約が取りにくくなりそうで、旅好きにはありがた迷惑な側面もありそうです。(鎌倉淳)