関西空港と洲本港を結ぶ「淡路関空ライン」が、2018年7月に休止することが決まりました。運航開始からわずか1年で姿を消します。
年間9万人の利用を目指したが
淡路関空ラインは、2017年7月8日に運航を開始した航路です。淡路開発事業団が運航していた洲本パールラインが2007年3月31日に休止となって以来、10年ぶりの航路再開として、話題になりました。
訪日外国人観光客を淡路島に呼び寄せようと、地元経済界や自治体主導で開始された航路です。関西空港と洲本港を65分で結び、1日5往復運航しています。
神戸新聞2018年6月13日付によりますと、年間9万人の利用を目指したのに対し、2018年5月末までの約11カ月で、利用客は1万6,000人と低迷。「初年度となる2018年6月期決算は、最終損益の赤字額が当初予想の2.5倍となる1億5千万円に上る見通し」で、補助金があってもまかないきれず、運航休止を決めたということです。休止は7月13日付です。
小型化して存続さぐる
現在の使用船舶「まりーんふらわー2」は、104トン217人乗りです。1日5往復なら、輸送能力は年間79万2,050人。想定通り年間9万人の利用があっても乗船率11%程度とオーバースペックです。年間2万人の利用者しかいなければ、平均乗船率は2%程度で、さぞガラガラだったことでしょう。
現時点で、航路を廃止とする方針ではないようで、同紙によると、淡路関空ラインの吉村静穂会長は「現行より小型の船での運航など、3市と協議して再開の道を模索する」と話しています。
ちなみに、関空~神戸空港間の「神戸-関空ベイシャトル」の使用船舶は84トンで110人乗り。年間利用者数は30万人程度です。「淡路関空ライン」利用者が年間2万人程度なら、50人乗りの船でも大きすぎるくらいです。
手ごろなサイズの船が都合良く船が見つかるのかはわからず、運航再開を目指すにしても、少し時間がかかりそうです。(鎌倉淳)