香川県宇多津町に建設中の「四国水族館」(仮称)の概要が明らかになりました。360度観覧できるイルカプールや、サメの群れを見上げる水槽など、さまざまな演出が取り入れられています。
四国最大規模の水族館
「四国水族館」は、香川県宇多津町のうたづ臨海公園内に建設予定の新しい水族館です。香川県内の企業などが出資する株式会社四国水族館開発が建設し、神戸市立須磨海浜水族園の指定管理者である株式会社ウエスコが運営します。開業予定は2020年3月です。
公表された基本設計案によりますと、延床面積は7,216平方メートル。屋外展示空間含む施設面積は約10,000平方メートルです。
美ら海水族館の延床面積が約19,200m平方メートル、須磨海浜水族園が約14,500平方メートルですので、各地の大型水族館よりは小さいです。ただ、瀬戸内地方や四国には大きな水族館がありませんので、完成すれば四国最大規模、瀬戸内エリアでも最大級の施設になります。
外観は塩田をイメージする白を基調としており、すっきりとしたエントランスです。
変幻自在な水族館
四国水族館のメイン展示テーマは「四国水景」。水槽は約100基で、四国を10の大景にゾーニングして各水槽で表現。鳴門の渦潮や、四万十川を再現した水景が見られます。IoTやAIを活用した展示手法や、昼と夜で見え方が変わる環境演出なども特徴としています。
展示するのは、イルカや赤シュモクザメ、マゼランペンギンなど約400種、1万4,000点。サメの群れを下から見上げる「サメ影水槽」のほか、釣りやタッチ磯体験も楽しめます。
スタジアムはプールを観客が360度取り囲む構造で、ダイナミックなイルカショーが最大の売り物になりそうです。
建築構造と水槽を分離するスケルトン・インフィルを採用したことにより、展示空間の変更をしやすくなり、拡張性に優れた構造となっているのも目新しい点でしょうか。時代の流れとともに変化する「変幻自在な水族館」が実現できるとしています。
建設されるうたづ臨海公園は、JR宇多津駅から徒歩で15分ほど。宇多津駅は瀬戸大橋線と予讃線が繋がる交通の要衝です。クルマでのアクセスも良く、訪れやすい水族館になりそうで、完成が楽しみです。(鎌倉淳)