近畿車輛が「夢洲特急」用新技術を特許出願。集電靴の収納機能

実現へ向け技術開発

近畿車輛が、夢洲に直通する特急車両向けの新技術を特許出願していたことがわかりました。第三軌条対応の集電装置を車両限界内に収納する技術です。

広告

第三軌条の集電装置

公開特許公報によりますと、近畿車輛が2020年1月29日に出願していた「鉄道車両用の集電装置及び鉄道車両」の特許が、2021年8月10日に公開されました。

公報によりますと、特許の課題は「第三軌条用集電装置を架線集電方式の車両限界に納める」こと。地下鉄などで採用されている第三軌条では、集電装置を車両下に備えていて、集電靴とよばれる軌条に接する部分が車両限界の外にはみ出しています。これを回転させるなどして、車両限界内に収納する技術に関する特許です。

特許請求の範囲は、上記課題を解決する集電装置として7項、それら集電装置を備える鉄道車両に関する2項です。鉄道車両は「架線から集電する架線集電装置と、第三軌条から集電する鉄道車両」「内部電源を備えている鉄道車両」が挙げられています。架線と第三軌条から集電する複数集電方式の車両と、ハイブリッド車などバッテリー装備の車両を想定しているようです。

近畿車輛集電装置特許
画像:特許情報プラットフォーム(特開2021-118656)より

夢洲直通特急の技術開発

この特許が目指すところは明らかで、近鉄が目標している「夢洲直通特急」への導入でしょう。「夢洲直通特急」は、近鉄が大阪メトロ中央線へ乗り入れて、夢洲に至る観光特急です。IR(統合リゾート)を誘致している夢洲と沿線観光地とを、直通で結ぶことを目的としています。

大阪メトロ中央線・近鉄けいはんな線と奈良線・京都線が直通運転をするわけですが、前者は第三軌条からの集電、後者は架線からの集電で、方式が違うため、複数集電方式で走行可能な車両を開発しています。

第三軌条集電方式の車両をそのまま架線区間に持ち込むと、集電靴が車両限界からはみ出してしまいます。今回の技術は、その課題を克服するために開発したとみられます。

この特許出願により、近鉄が「夢洲特急」を本気で開発していることが、改めて明らかになったといえそうです。(鎌倉淳)

広告
関連広告
前の記事名鉄10月ダイヤ改定の概要。瀬戸線で準急を各停化、豊川線など減便
次の記事水バラ「BINGO対決旅」は定着するか。夏の箱根で女優が奮戦