石垣島と台湾を結ぶフェリーが2025年9月に就航する予定です。両島を結ぶ国際航路が17年ぶりに復活します。
所要時間7時間、年140往復
石垣・台湾間の新航路は、商船やいまが運航する「YamimaLine(やいまライン)」です。沖縄県石垣島の石垣港と、台湾の基隆港を結びます。
同社が公開したウェブサイトによると、距離は約265kmで、所要時間は約7時間です。
石垣市の資料によれば、年間140往復程度の運航を見込んでいます。詳細なスケジュールなどは発表されていませんが、おおむね週2~3便程度になるとみられます。
大阪・釜山航路のフェリーを転用
就航する船舶は「YAIMAMARU(やいま丸)」です。大阪~釜山航路で使われていた「パンスタードリーム」を購入し、転用します。
総トン数は21,535トン、旅客定員数は545名の大型フェリーです。大阪・釜山航路ではレストラン、大浴場などを備える豪華フェリーとして知られてきました。
石垣市では、大きな船内改装をせずに使う方針を明らかにしています。そのため、基本的な船内設備は、釜山航路のままになるとみられます。
かつての「さんふらわあ」
「パンスタードリーム」は、もともとはブルーハイウェイラインが東京~那智勝浦~高知航路用として1997年に投入した「さんふらわあくろしお」です。
2001年に同航路が廃止された後、韓国のパンスターフェリーに売却されました。それが、今度は石垣・台湾航路に投入されるわけです。
17年ぶり復活
石垣~台湾間には、かつて有村産業が定期航路を開設していました。名古屋港を起点に、大阪、那覇、平良(宮古島)、石垣を経て台湾の基隆港に至る壮大な航路でした。
しかし、有村産業は2008年に破産し、この航路も廃止となっています。
石垣市では、2023年6月に台湾への定期航路再開へ向けた検討委員会を設置し、2024年7月に再開方針を正式表明。2024年8月に新たな法人を設立し、就航に向け準備を進めてきました。
同年9月に内閣府から船舶購入補助の交付決定を受け、11月に船舶購入の契約を締結していました。
「やいまライン」の開設により、約17年ぶりの日台海上航路の再開となります。(鎌倉淳)