ウラジオストクにアライバルビザが登場。到着時に8日間のビザ発給へ。「日本から一番近いヨーロッパ」へ行ってみたい!

ロシア極東最大の都市・ウラジオストクで、アライバルビザが登場するようです。最近可決された「ウラジオストク自由港法」により、ウラジオストクが「自由港」に指定され、関税免除や外国人訪問者に対する入国規制の緩和などが行われるそうです。

2015年9月4日には、プーチン大統領がウラジオストクで開かれた第一回東方経済フォーラムの開会式で講演し、自由化を宣言しました。アライバルビザは「ビザ免除」とは異なりますが、旅行者は格段に訪れやすくなりそうです。

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2015年10月から適用か

ロシア極東に関する情報は乏しいのですが、各社報道などをまとめますと、ウラジオストク自由港化では、外国人訪問者に対し8日間のアライバルビザが設定されるとのことです。日本人が除外されるような報道はありません。施行は10月12日からと報じられています。

アライバルビザは、飛行機で到着したときに、空港の入国審査時またはその直前に取得できる入国ビザのことを指します。日本での事前手続きなしに空港でビザを取得できるので、実質的なビザ免除に近い形になるとみられます。

ウラジオストク

日本人旅行者の負担は格段に減る

これまでロシアは、日本人に対しビザ発給に厳しい要件を課してきました。具体的には、申請書類のほかに、現地旅行会社が発行する旅行確認書とバウチャーのコピーの提出を求めています。事前に現地ホテルなどを予約し、支払いをすませたうえで旅行確認書を発行してもらうことになるので、時間も手間もかかります。そのため、日本人のロシア旅行は伸び悩んできました。

しかし、最大8日間とはいえ、アライバルビザが発行されることで旅行確認書やバウチャーが免除されるのであれば、旅行者の負担は格段に減ります。思い立って明日の飛行機を予約して、次の日にはウラジオストックに行く、といった旅さえできるようになるのかもしれません。

沖縄より近いけれど

極東ロシアは距離のわりに「遠い」エリアです。成田からウラジオストクへはロシアのS7航空が週3便飛ばしているだけ。しかし、所要時間は2時間40分で、沖縄・那覇に行くより時間はかかりません。飛行機の便さえあれば日帰りも可能な距離なのですが、上述のようにビザの壁があり、日本人旅行者はきわめて少ない、というのが現状です。

しかし、アライバルビザが定着したら、今後、旅行者は増えるかもしれません。極東ロシアは「日本から一番近いヨーロッパ」ですし、沿岸州の自然は荒々しく旅行者を誘います。シベリア鉄道の始発駅としても知られていますし、旧ソ連時代にウラジオストクが「外国人立ち入り禁止」だったことを記憶されている方は、そうした面からの興味もあるでしょう。

かくいう筆者も、ウラジオストクを訪問したことはありません。アライバルビザが実施され、航空便が便利になったら、一度足を踏み入れてみたいと思います。

なお、現時点ではロシア大使館のホームページにウラジオストクのアライバルビザに関する記述はありません。正直なところ「本当に実施されるの?」という疑念も、筆者には少しあります。実際、こうしたことは直前になって延期、変更されることも多いので、ご旅行を計画される方は事前にご自身でお確かめください。

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