京都市梅小路に、新しい鉄道博物館が開業することになりました。JR西日本が発表したもので、2016年春の開業を予定しています。場所は現在の「梅小路蒸気機関車館」に隣接し、梅小路蒸気機関車館も、この鉄道博物館に「吸収」され、一体運営されます。
この「京都梅小路鉄道博物館」では、蒸気機関車23両をはじめ、新幹線6両、電気機関車4両、ディーゼル機関車4両などの車両50両程度を展示。現在の梅小路機関車館を引き継いで、SLの動態保存も継続、「SLスチーム号」への体験乗車も引き続き実施されます。建物は3階建てで、延床面積は約18,800平方メートル。面積で「鉄道博物館」(JR東日本、さいたま市)を、車両数で「リニア・鉄道館」(JR東海、名古屋市)を共に上回り、規模としては日本最大級の鉄道博物館になります。
展示車両は、初代新幹線0系や、JR西日本が開発した500系を筆頭に、世界初の電車寝台583系、ボンネット型特急の489系、SL C62形、80系電車などです。様々な形式の「1号機」を多くそろえます。
「みる、触る、体験する」 を重視した展示構成が特徴で、梅小路運転区の構内留置線を館内に引き込み、営業車両を臨時に展示できるようにする計画もあります。また、展示場の上に点検通路を設けて車両の屋根を上から間近で観察できるような施設も作ります。逆に、電気機関車を持ち上げて下部構造を真下から見られるような構造も採用。鉄道車両をいろんな角度から楽しめます。他の博物館で人気のある「運転シミュレーター」も当然導入されます。
この新しい鉄道博物館の総事業費は約70億円。地上3階建て(延床面積約1万8,800平方メートル)の建物が建設されます。開業後の来館者数については年間約80万人を見込んでいます。
詳細は以下の通りです。
1 計画内容
(1)所在地
京都市下京区観喜寺町
(2)開業予定
2016年(平成28年)春ごろ
(3)運営方式
公益財団法人交通文化振興財団に運営を委託
(4)建物概要
地上3階建、延床面積約18,800平方メートル
(5)収蔵車両数
50両程度
【内訳】SL23両、新幹線6両、電気機関車4両、ディーゼル機関車4両など
(6)総事業費
約70億円
2 鉄道博物館の概要
(1)SLから新幹線まで、時代を彩ってきた貴重な車両50両程度を展示します。
(2)動態SLを間近で観察できる展示や、SLスチーム号への体験乗車を実施します。
(3)梅小路運転区構内留置線を博物館に引き込み営業車両などを展示します。
(4)「みる、触る、体験する」 を重視した展示構成とします。
(5)新幹線タイプ、在来線タイプの運転シミュレーターを設置します。
(6)ジオラマで鉄道模型運転を実施します。
また、この新しい鉄道博物館の開業にあわせて、大阪市港区にある「交通科学博物館」については閉鎖されます。その展示物は新博物館に集約される予定です。
ところで、京都・梅小路地区は、京都市によって再整備が進められており、2012年3月には京都水族館がオープンしています。8月には京都府寿司生活衛生同業組合が運営する「すし市場」が開業したほか、京の食文化の魅力を伝える「京の食文化ミュージアム・あじわい館」が2013年4月に本格開業します。鉄道博物館はそれに続くもので、梅小路公園の観光的価値がさらに高まりそうです。