タンザニアとアンゴラを結ぶ鉄道が開通しました。アフリカのインド洋岸と大西洋岸を結ぶ初めての鉄道です。「アフリカ横断鉄道」の旅は、どうすればできるのでしょうか。
タンザン鉄道とベンゲラ鉄道を接続
開通したのは、タンザニアのダルエスサラームと、アンゴラのロビトを結ぶ約4,300kmの鉄道です。1970年代に開通した東海岸のタンザン鉄道が、西海岸のベンゲラ鉄道と接続して実現しました。タンザニア、ザンビア、コンゴ民主、アンゴラの4カ国を走ります。建設に協力したのは中国です。
南アフリカの鉄道運行会社「ロボスレイル」が、4カ国を横断する観光列車を運行します。ロボスレイルのウェブサイトによりますと、4カ国を横断する15日間のツアーが設定されていて、最初の列車が2019年7月16日にダルエスサラームを出発。7月30日にロビトに到着しました。
100万円以上の豪華列車
途中観光地に立ち寄りながら、列車を拠点にアフリカ横断を楽しむツアーで、料金は「プルマンスイート」が1万2820ドル、「デラックススイート」が1万6995ドル、「ロイヤルスイート」が2万2190ドル。日本円で100万円~200万円以上もする豪華鉄道旅行です。
現地報道によると、最初の列車に乗車したのは、南アフリカ、アメリカ、イギリス、スイス、オランダ、オーストラリア、ニュージーランドの54人の観光客。ロビトからの帰路便は53人が乗車するそうなので、50人あまりが定員なのでしょう。
年に1往復?
ロボスレイルは南アフリカを拠点に、ケープ~ダルエスサラームを初めとする豪華観光列車を運行していますので、「アフリカ横断鉄道」の列車も、その車両やクルーを転用している可能性が高そうです。
そのためか、運用に限りがありそうで、ウェブサイトを見ると、7月16日にダルエスサラーム発、8月2日にロビト発が設定されているほかは、2019年の運転予定は掲載されていません。
次回の設定は2020年7月、その次は2021年7月が公表されているだけです。他に運転されないなら、年に1往復、約100人だけが楽しめる、非常に貴重な豪華観光列車として価値が出そうです。
(筆者が見落としているだけかも知れないので、ご興味のある方はご自身でお確かめください=ロボスレイルのウェブサイトはこちら)。
一般旅客列車に関しては、タンザニアやアンゴラ国内では利用できるようです。しかし、新規開業区間を含め、定期旅客列車でアフリカ横断が可能かどうかは、インターネット上では確認できませんでした。(鎌倉淳)