富山地方鉄道が、本線の新魚津~宇奈月温泉間の廃止も検討していることを明らかにしました。すでに、滑川~新魚津間と立山線の岩峅寺~立山間は、廃止手続きの準備に着手しています。
「あり方検討会」
富山地方鉄道は、富山県内に108.3kmの路線網を有する地方私鉄で、厳しい経営状況が続いています。地元自治体では、「富山地方鉄道鉄道線のあり方検討会」を設けて支援を検討しており、立山線と不二越・上滝線について話し合う分科会が9月1日に開催されました。
NHKによると、この検討会で、富山地鉄側が、これまで俎上にのぼっていなかった、本線の新魚津~宇奈月間についても、廃止を基本として沿線自治体と協議する方針を明らかにしました。
残るのは電鉄富山~滑川間のみ?
本線については、滑川~新魚津間で、すでに廃止に向けた手続きに着手しています。自治体から新たな支援が得られなければ、2026年11月限りで廃止となる見通しです。
これにくわえて、新魚津~宇奈月温泉間の廃止検討も明らかにしたわけです。実際に廃止されると、本線の滑川~宇奈月温泉間31.5kmが廃止されることになり、本線で残るのは電鉄富山~滑川間21.8kmのみとなります。
自治体と支援内容で合意できれば、存続することになります。この日の席上で、富山県の新田八郎知事は、鉄道維持に前向きな姿勢をみせたこともあり、自治体の支援を得て存続する可能性も高そうです。
立山線は12月に合意も
この日の会合では、立山線の岩峅寺~立山間についても、2026年11月限りで廃止する方針が改めて明らかにされています。ただし、2025年12月までに、自治体側から新たな提案が示された場合は協議するとしています。
一方、自治体側では、2027年度から鉄道事業再構築事業の適用を受けられるよう、2025年11月までに調査報告をまとめる方針です。したがって、立山線の存続廃止については、この調査報告が出された後、2025年12月に、新たな支援方法で自治体と地鉄が合意できるかにかかってきました。
そのほか、不二越・上滝線については、月岡~岩峅寺間について、2026年度から、いわゆる「みなし上下分離」に移行する方針です。運営は、これまで通り富山地鉄がおこないます。