東急電鉄は、2023年3月に開業する「相鉄・東急新横浜線」のダイヤ概要を発表しました。直通する東横線や目黒線のダイヤがどう変わるのか。わかっている詳細をご紹介しましょう。
2023年3月開業
相鉄・東急新横浜線は、東急日吉駅から新横浜駅を経て相鉄西谷駅に至る12.1kmの路線の総称です。
東急新横浜線が日吉~新横浜間5.8km、相鉄新横浜線が新横浜~西谷間6.3kmです。このうち、相鉄新横浜線の羽沢横浜国大~西谷間2.1kmは相鉄・JR直通線の一部として開業済みです。
東急新横浜線の全線と、相鉄新横浜線の日吉~羽沢横浜国大間が2023年3月に開業予定で、これにより全線開業となります。
新幹線駅と接続
全線開業により、東急東横線、東急目黒線、相鉄本線、相鉄いずみ野線が直通運転を開始します。各路線から新横浜駅が一本で結ばれる形になり、東急と相鉄が初めて新幹線駅と接続することになります。
それだけに、通勤・通学客だけでなく、旅行者にも注目度の高い新線です。この運行計画の概要を、2022年11月24日に両社が発表しました。ここでは、東急東横線と東急目黒線の新ダイヤがどうなるかを中心に見ていきましょう。
日中は毎時6本
東急新横浜線は、日中時間帯に毎時6本の列車を運行します。約10分間隔です。このうち、東横線直通が2本、目黒線直通が4本です。東横線直通は2本とも急行で、目黒線直通は急行と各停です。新横浜線内は、急行も全駅に停車します。
東横線系統は相鉄線内でいずみ野線(湘南台方面)に乗り入れます。目黒線は相鉄線内で本線(海老名方面)へ乗り入れます。
つまり、渋谷駅では「急行湘南台行き」が、日中時間帯に30分に1本運転されます。この2本は、東横線内で純増のようです。渋谷から先、副都心線方面に乗り入れるのかは不明です。
目黒線は、日吉発着の毎時12本中4本が新横浜まで乗り入れることになります。このうち2本が新横浜折り返しです。海老名行きは急行とされていますので、毎時2本が海老名行き急行、2本が新横浜折り返し各停のようです。
つまり、目黒駅では「急行海老名行き」と「各停新横浜行き」が、それぞれ日中時間帯に30分に1本運転されます。これらの列車は、メトロ南北線もしくは都営三田線に乗り入れるとみられます。この影響で、目黒線の日吉折り返し(始発)列車は、毎時12本から8本に減少します。
所要時間
東急新横浜線方面列車の、主な区間の最速列車の所要時間は以下の通りです。
・渋谷~新横浜 25分
・渋谷~二俣川 39分
・渋谷~湘南台 51分
・自由が丘~新横浜 15分
・目黒~新横浜 23分
・目黒~二俣川 38分
・目黒~大和 46分
・目黒~海老名 53分
渋谷~新横浜が最速25分で結ばれるとなれば、東海道新幹線を利用する場合、品川経由と所要時間で大差なくなるでしょう。新幹線料金を考慮すれば、東横線沿線エリアからの東海道新幹線利用は、新横浜駅利用が一般的になりそうです。
平日朝ラッシュ時
つづいて、平日朝ラッシュ時のダイヤです。
平日朝ラッシュ時の東急新横浜線は、毎時最大16本の列車を運行します。このうち4本が東横線直通の急行で、12本が目黒線直通の急行または各停です。目黒線の12本のうち、最大5本は新横浜折り返しです。
東横線では、菊名発着の各停(毎時4本)を、新横浜線に直通する急行に変更します。これにより、渋谷~日吉間の朝ラッシュ時の急行は、現行の毎時4本から毎時8本に倍増します。そのぶん、各停は毎時16本から12本に減少します。朝ラッシュ時の東横線各停は、おおむね4~7分間隔となります。
目黒線では、急行の各停追い越し駅を原則として武蔵小山から奥沢へ変更します。これにより、急行の日吉~目黒間の所要時間を、現行の22分から20分に短縮します。また、奥沢、武蔵小山の両駅で各停を追い越す急行を6本設定し、日吉~目黒間の所要時間を現行の22分から17分に、最大5分短縮します。
目黒線の朝ラッシュ時間帯の、日吉始発の列車は、毎時22本から毎時10本に減少します。
東横線、目黒線の朝ラッシュ時の運行形態は下図の通りです。
東急新横浜線の運賃は?
新横浜線開業を機に、東横線全線においてワンマン運転を実施します。目黒線はすでにワンマン運転を実施しています。新横浜線もワンマン運転を予定しています。つまり、東横・目黒線系統の全区間でワンマン運転が実施されることになります。
主要区間の運賃は下表の通りです。渋谷・目黒・中目黒~新横浜は360円(IC運賃は358円)です。
東急は2023年3月に運賃値上げを予定していますが、上表はその値上げを反映しています。東急新横浜線には70円の加算運賃が設定されているため、東急線の対キロ運賃よりも70円高くなってます。(鎌倉淳)