東北新幹線、GW前の全線復旧を目指す。運転再開区間を段階的に拡大

被害は1000か所に

JR東日本は、地震により被災した東北新幹線の全線運転再開について、4月20日前後を目指していると発表しました。ゴールデンウィーク輸送に間に合わせる考えです。また、3月22日から運転再開区間を段階的に拡大します。

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3月22日に一部運転再開

東北新幹線は、2022年3月16日夜の福島県沖地震で被災し、「やまびこ223号」が脱線したほか、鉄道設備の約1,000か所で被害が発生しました。このため、現在、那須塩原~盛岡間で運休しています。

JR東日本は、3月21日に今後の運転再開見通しを発表。3月22日に那須塩原~郡山間、一ノ関~盛岡間で運転再開し、運行本数を減らした臨時ダイヤで運行します。

つづいて、4月2日ごろに郡山~福島間、4月4日ごろに仙台~一ノ関間での運転再開を計画。最も被害の大きかった福島~仙台間を含む全線の運転再開は、4月20日ごろになるとの見通しを示しました。

過去の地震による新幹線の運休期間は、阪神・淡路大震災の山陽新幹線が81日、新潟県中越地震の上越新幹線が66日、東日本大震災の東北新幹線は49日でした。今回の地震で東北新幹線が4月20日前後に復旧するとすれば、運休期間は34日程度になります。

東北新幹線運転再開計画
2021年3月21日現在。画像:JR東日本プレスリリース

東北線で臨時快速

3月22日からの東北新幹線臨時ダイヤでは、東京~郡山間に「なすの」を下り27本、上り28本を運転(一部列車は区間運転)します。一ノ関~盛岡間は「やまびこ」を6往復、盛岡~新青森間は「はやて」を17往復運転します。東北新幹線内は全列車が各駅停車で、通過運転はありません。

代替輸送としては、3月22日より、東北線仙台~一ノ関間で臨時快速を下り4本、上り3本運転します。東北線郡山~仙台間で予定していた臨時快速については、地震による新たな設備の損傷が3月21日夕方に発見されたため、全区間で運転を取りやめます。東北線は、福島~藤田間で運転を見合わせます。

東北新幹線迂回経路
2022年3月21日現在。画像:JR東日本

常磐線については、富岡~新地間で運休していましたが、3月22日より富岡~原ノ町間で運転を再開します。原ノ町~新地間は、復旧作業が順調に進めば、3月24日に運転を再開する見込みです。

常磐線全線運転再開後には東京~仙台直通の「ひたち」が運行される見通しですが、現時点で発表はありません。

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