「サンキュー♥ちばフリーパス」の2021年版が発売されます。今年の利用期間は11月のみです。
利用期間は11月のみ
「サンキュー♥ちばフリーパス」は、千葉県内の主要交通機関が乗り放題になるフリーきっぷです。2021年の発売期間は11月1日~11月29日、利用期間は11月1日~11月30日です。
例年9月~11月の利用期間で設定されていますが、2021年は新型コロナウイルス感染症の影響か、利用期間が11月の1ヶ月だけになりました。当日でも購入可能で、有効期間は利用開始日から連続する2日間です。
フリーエリア
2021年版の「サンキュー♥ちばフリーパス」の鉄道路線のフリーエリアは、2020年版と同じです。利用できる鉄道路線は、千葉県内のJR線と、小湊鐵道、いすみ鉄道、銚子電鉄、流鉄の私鉄4社です。
利用できるバスは、小湊鐵道、九十九里鉄道、千葉交通、ジェイアールバス関東、日東交通、京成タクシー成田の6社の指定路線です。期間限定周遊バスの「房総さとやまGO」も利用できます。久留里駅~養老渓谷駅~上総中野駅を結ぶ路線で、11月20、21、23、27、28日に利用できます。
東京湾フェリー(金谷~久里浜)も、引き続きフリーエリア対象となりました。フェリーが乗り放題となるフリーきっぷは珍しいです。
フリーエリア内では、JR線の普通列車(快速含む)の普通車自由席、各鉄道・バス会社線の指定路線、東京湾フェリーが乗り降り自由となります。フリーエリア内で特急列車等を利用する場合、特急券や「えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」、房総料金回数券といった料金券タイプの特別企画乗車券との併用が可能です。
価格は据え置き
価格は大人3,970円、小人1,980円で、据え置きです。JR東日本の千葉県内の主な駅の指定席券売機で購入できます。駅窓口での発売はありません。
「サンキュー♥ちばフリーパス」の概要は以下の通りです。
「サンキュー♥ちばフリーパス」2021年版
・価格 おとな3,970円、こども1,980円
・発売期間:2021年11月1日~2021年11月29日
・利用期間:2021年11月1日~2021年11月30日
・有効期間:連続する2日間
・発売箇所:JR東日本の千葉県内の主な駅の指定席券売機
利用日当日の購入も可能です。利用人数の制限はなく、一人から購入できます。
なお、東京都区内各駅からフリーエリアへの乗車券がセットになった「サンキュー♥ちばフリー乗車券」は、今年は発売されません。
房総半島横断も
「サンキュー♥ちばフリーパス」の魅力は、千葉県の私鉄が乗り放題なことです。モデルルートとして真っ先にあがるのは、小湊鐵道といすみ鉄道を乗り継ぐ房総半島横断でしょう。(10月26日に土砂崩れで養老渓谷~上総中野駅間で運休中。復旧はそれほど長くかからない見通し)
小湊鐵道の五井~上総中野間の運賃は1,440円で、いすみ鉄道の上総中野~大原間の運賃は730円。あわせて、フリーパス価格の半額に相当する金額です。房総半島を鉄道で横断するのに、フリーパスの利用価値は高いです。
銚子電鉄の片道運賃が350円、流鉄が200円ですので、これらの私鉄を往復し、房総半島を横断すれば、それだけで3,270円。きっぷの8割の値段に相当します。私鉄を乗り歩くだけでほとんど元が取れてしまうわけです。
久里浜発は事実上封印
東京湾フェリー(片道運賃800円)もフリーエリアに含まれるので、房総半島からフェリーで三浦半島に渡り、京浜急行やJR横須賀線で東京に向かうルートにも使えます。東京を起点とした場合、市川でパスを購入し、久里浜から戻るというルートをたどると、かつての「東京湾フリーきっぷ」のような旅ができそうです。
JR久里浜駅や、久里浜港では発売されませんので、三浦半島側で「サンキューちば♥フリーパス」を購入することはできません。東京・横浜方面からフェリーを使って房総半島に上陸する経路は事実上封じられているわけで、その点は残念です。(鎌倉淳)