宗谷北線が特急専用線になる? JR北海道が「42無人駅の廃止検討」報道

1日平均3人以下

JR北海道が無人駅の廃止をさらに進めるようです。基準となる「乗車数1日3人以下」の駅が全て廃止されると、宗谷線などは「特急専用線」になってしまいそうです。

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1日平均3人以下

北海道新聞2023年6月17日付は、JR北海道が「無人駅42駅の廃止を検討」すると報道しました。対象は「1日平均の乗車数が3人以下」の駅で、すべてがすぐに廃止されるわけではありませんが、一部の駅は早ければ2024年春にも廃止される可能性があります。

北海道新聞が伝えた対象42駅は以下の通りです。太字は2024年春の廃止または自治体管理移管を打診している駅です。

【宗谷線】
瑞穂、日進、智北、初野、恩根内、天塩川温泉、咲来、筬島、佐久、問寒別、糠南、雄信内、南幌延、下沼、兜沼、抜海

【石北線】
愛山、瀬戸瀬、緋牛内

【釧網線】
茅沼、美留和、緑

【根室線】
東滝川、厚内、尾幌、別当賀、昆布盛

【富良野線】
鹿討

【函館線】
仁山、赤井川、山越、山崎、黒岩、国縫、中ノ沢、二股、目名、比羅夫

【室蘭線】
静狩、礼文、大岸

【石勝線】
滝ノ上

宗谷線

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宗谷線16駅、函館線10駅

廃止検討の対象となっている駅を路線別に分類すると、宗谷線が16駅と最も多く、函館線が10駅で続きます。

根室線が5駅、石北線、釧網線、室蘭線が3駅、富良野線と石勝線が1駅です。いずれも、JRによる過去5年間の利用実態調査で、1日平均の乗車数が3人以下だったということです。

重ねて書きますが、これらの42駅がすぐに廃止となるわけではなく、上記の太字4駅を含む一部の駅が、2024年春の廃止または自治体移管へ向けての候補となっているようです。

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名寄以北の駅が激減

もっとも多い宗谷線では、名寄以北に集中しています。仮に、16駅全てがなくなると、宗谷線の名寄以北(宗谷北線)の駅は以下のようになります。

【宗谷北線で廃止が検討されていない駅】
名寄、知恵文、美深、音威子府、天塩中川、幌延、豊富、勇知、南稚内、稚内

特急通過駅で残るのは、知恵文、勇知だけです。この状況で特急と普通を分けて運行する意味は小さそうでなので、仮に16駅が全て廃止となれば、知恵文、勇知にも特急を停車させて、宗谷線の名寄以北は特急のみの運行になりかねません。

現実に、沿線人口の少ない石勝線では、新夕張~新得間は特急のみの運行で、普通列車はありません。宗谷北線で同様の扱いとすることは可能でしょう。

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実際には?

実際には、JR北海道が駅廃止の方針を地元に伝えても、地元が費用を負担すれば存続することになるでしょう。というよりも、これら16駅には、すでにJR北海道が廃止または費用負担を打診済みで、結果として自治体負担で存続している駅も含まれています。

たとえば、幌延町は、2021年3月改正で、下沼、上幌延、南幌延、安牛、雄信内、糠南、問寒別の7駅について、JRから廃止または自治体による費用負担を打診され、上幌延と安牛については廃止を受け入れ、他5駅については費用負担のうえ維持しています。

道新も「自治体が維持費用の負担などを行う場合は、移管駅に切り替えるか、移管駅のまま存続させる可能性もある」としています。自治体が費用負担の方針を続けるのであれば、宗谷北線で16駅がただちに廃止されることはなさそうです。

ということで、宗谷北線の「特急専用化」は、あり得るとしても先の話といえそうです。(鎌倉淳)

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