相鉄・JR直通線の使い勝手は? 新宿発着、1日46本、運賃はお高め

昼間は毎時2~3本

相鉄・JR直通線の運行計画の概要が発表されました。朝ラッシュ時に毎時4本、それ以外は毎時2~3本で、多くの列車は新宿発着となります。

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新宿発着

相模鉄道とJR東日本は、2019年11月30日から相互直通運転を開始します。両社がその運行計画概要を発表しました。

相鉄は西谷~羽沢横浜国大間に新線を開業、羽沢横浜国大駅からJR東海道貨物線に乗り入れ、武蔵小杉、西大井、大崎、恵比寿、渋谷、新宿の順に停車します。

直通列車の運転本数は、1日46往復(92本)です。朝のピーク時は毎時4本運転し、その他の時間帯は毎時2~3本です。

朝の通勤時間帯は、新宿から先、大宮方面へ直通運転します。それ以外の時間帯は新宿駅発着で、大宮方面への乗り入れは行われないようです。そのため、新宿から着席しやすくなるでしょう。

相鉄・JR直通線
画像:相鉄プレスリリース

二俣川~新宿44分

直通運転をする列車の相鉄線内の列車種別は特急と各停で、特急は海老名、大和、二俣川、西谷に停まります。最速達列車の所要時間は、二俣川~新宿が44分、大和~渋谷が45分、海老名~武蔵小杉が36分です。それぞれ、現在の横浜駅で乗り換えるよりも、10分程度の短縮となります。

相鉄路線図
画像:相鉄プレスリリース

相鉄は直通運転に合わせ、11月30日にダイヤ改正を実施します。新たに朝の通勤ラッシュ時間帯にいずみ野線に通勤特急と通勤急行を導入します。いずみ野線湘南台駅発の通勤特急は、海老名駅発のJR直通特急と二俣川駅で接続します。詳細なダイヤは今後発表します。

車両は、相鉄が2019年4月にデビューしたばかりの12000系、JR東日本が埼京・川越線用のE233系を使用します。E233系も、相鉄線乗り入れを見据えて増備が行われています。

相鉄12,000系
画像・相模鉄道
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30分間隔の時間帯も

直通運転で、相鉄線二俣川方面から、新宿方面へ乗り換えなしで行けるようになり、相鉄沿線から都心方面への利便性は大きく上がります。

ただ、運転本数は、当初計画通りとは言え、1日46本にとどまりました。1日の運転時間を18時間とすると、平均で毎時2.55本。朝ラッシュ時2時間に4本とすれば、残る16時間は平均で毎時2.37本となります。昼間は約30分間隔になる時間帯も生ずると予想され、使い勝手にはやや難があるでしょう。

運賃はお高め

運賃は相鉄とJRの基本運賃に、連絡線の建設費用として加算運賃30円を加えた額です。二俣川~渋谷・新宿は760円、大和~渋谷・新宿は810円。現在の横浜駅経由の場合、二俣川~新宿が750円、二俣川~渋谷が590円です。大和~新宿は小田急線経由で490円。これらに較べると、相鉄・JR直通線はややお高めになります。

列車本数が少なく、運賃はややお高めですが、所要時間は短い、というのが相鉄・JR直通線の特徴となりそうです。相鉄・JR直通線と、横浜経由の両方が使える複数ルート定期券が発売されれば、相鉄線利用者にとっては便利になりそうですが、いまのところ発売されるとの告知はありません。

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横須賀線はどうなる?

横須賀線の本数にも注目です。朝ラッシュ時に新宿~武蔵小杉間で4本の増発をするために、横須賀線の運転本数が削減される可能性があります。その場合、横浜以南の、保土ケ谷や東戸塚、鎌倉、逗子などの利便性にも影響が及びます。

武蔵小杉駅の混雑問題にも影響が出そうです。相鉄・JR直通線は10両編成ですので、15両編成の横須賀線が削減され、相鉄直通列車に置き換えられた場合、輸送力は落ちることになります。

ただ、相鉄直通列車は横浜方面からやってくる横須賀線より当初は空いているでしょうから、武蔵小杉から乗車する場合、意外と乗りやすいかもしれません。

東急直通は3年後

相鉄線から東京駅方面への直通列車は設定されませんでした。そのため、相鉄・JR直通線を利用して東京や品川へ向かう場合、武蔵小杉または西大井での乗り換えが必要です。列車の運転本数や運賃を考えると、東京駅方面へは、これまで通り横浜駅経由のほうが便利そうです。

相鉄では、3年後の2022年度下期に、東急東横線・目黒線との直通運転も予定しています。この相鉄・東急直通線(新横浜線)は、朝ラッシュ時間帯に毎時10本~14本程度、その他の時間帯に毎時4~6本程度の列車が設定される見込みで、都心までの運賃もJR経由より安くなりそうです。

東急直通が実現すれば、相鉄沿線はさらに便利になるでしょう。(鎌倉淳)

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