後志自動車道の余市~仁木間が2025年3月23日に開通します。延伸距離は3.3kmと短いですが、倶知安、ニセコ方面が少し近づきます。倶知安・ニセコまでの延伸見通しを含め、概況をみてみましょう。
余市IC~仁木ICの3.3km
国土交通省小樽開発建設部は後志自動車道の余市IC~仁木IC間3.3kmについて、2025年3月23日16時に開通すると発表しました。
後志道は札樽道の小樽JCTから、国道5号線沿いに伸びる高速道路です。現在小樽JCT~余市IC間が開通済みで、余市IC~倶知安IC間が事業中です。
余市~仁木間は、その部分開通という位置づけです。2024年度中の開通が予告されていましたが、開通日が3月23日に正式に決定しました。
4分の短縮
仁木までの開通により、新千歳空港から仁木町の所要時間は92分から88分に、札幌市からは73分から69分に、それぞれ4分短縮されます。
また、札幌方面から倶知安方面に向かう際、余市市街地を経由しなくて済むようになります。
ただ、開通距離が短いため、効果は限定的です。
余市~共和は用地買収がほぼ完了
気になるのは、仁木以南の開通時期でしょう。これについては、現在公式に明らかにされているスケジュールはありません。
事業着手の時期は、余市~共和間が2014年度、共和~倶知安間が2016年度で、共和までが先行しています。
2022年度の事業再評価資料によると、余市~共和間の用地進捗率が89%、事業進捗率が38%、共和~倶知安間の用地進捗率が23%、事業進捗率が13%です。
2年前の時点で共和までの用地取得は9割方終わっていることから、共和までは、2020年代後半のうちに開通する可能性が高そうです。
倶知安までは2030年代に?
その先、倶知安までの開通は見通せませんが、共和までに比べると一段遅れている印象なので、2020年代末か、2030年代にずれ込むかもしれません。
倶知安ICまで開通すれば、ヒラフエリアまで13分程度なので、新千歳空港~ニセコの高速道路は、ほぼ完成する形です。
ニセコまで事業着手
なお、後志自動車道は、倶知安以南で蘭越倶知安道路に接続します。蘭越倶知安道路はニセコまで事業着手しています。この区間の事業化が決定したのは2024年度なので、開通は相当先です。
その先、長万部方面へは、ニセコ~蘭越間の約13kmと、蘭越~黒松内の約20kmが未着手区間として残っています。このうち、ニセコ~蘭越間は計画段階評価が完了しているので、近い将来に着手する可能性があります。(鎌倉淳)