東急新横浜線に「新綱島駅」。「高輪ゲートウェイ騒動」で新駅名のトレンドは変わったか

2022年度開業予定

東急新横浜線の新駅名が「新綱島駅」に決まりました。駅名公募をしましたが、オーソドックスな仮称が、そのまま正式名称となります。駅名公募と言えば「高輪ゲートウェイ騒動」が思い浮かびますが、最近の新駅名のトレンドに影響を及ぼしているのでしょうか。

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2022年度下期開業予定

東急新綱島駅の立地は横浜市港北区綱島東一丁目。東急新横浜線の日吉~新横浜間に設けられます。東急新横浜線は、新横浜駅で相鉄新横浜線と接続し直通運転する計画で、2022年度下期の開業予定です。

「新綱島駅」の名称は計画時からの仮称です。2020年8月から9月にかけて、港北区関係者を対象に駅名公募をおこないましたが、東急はこのほど、「新綱島駅」を正式名称とすると発表。結果として仮称通りの名称となりました。

駅名公募については、「新綱島駅」「東綱島駅」「その他」の三択で、「その他」の場合だけ駅名案を記すという仕組みでした。「新綱島駅」が最初から有力候補として挙げられていたわけで、いわば大本命の決定といえます。

新綱島駅
画像:東急プレスリリース

駅名の投票数上位は?

ちなみに、公募の駅名案の投票数上位10位は下記の通りです。

1位 新綱島
2位 綱島温泉
3位 東綱島
4位 綱島東
5位 大綱橋
6位 綱島街道
7位 綱島リバーサイド
8位 鶴見川
9位 港北綱島
10位 綱島桃園

1位の「新綱島」、3位の「東綱島」の両駅は選択肢にありましたので、記名式の最上位は「綱島温泉」だったことになります。

ちなみに、当サイトでは、新綱島駅の命名について、『東急新横浜線「綱島新駅」の駅名案は? 港北区関係者限定で募集中!』という記事にしています。そのとき、いろいろ駅名候補を考えてみましたが、上記10候補は全て筆者も思いつき、記事に掲載しました。

言い換えれば、公募をおこなったものの、平凡な案しか応募がなかったということなのでしょう。実際のところ、公募結果の駅名はどれもぱっとせず、「新綱島」が選ばれるのは不思議ではありません。

東急では選定理由として、「多くのお客さまから支持され、新しい駅の新規性を分かりやすく表現するこの駅名を選定しました」と説明。「綱島駅の東側にできる新しい駅・路線の新規性や将来性、新幹線アクセス拠点である新横浜駅との親和性や、綱島地区の新たな玄関口として、街全体のさらなる発展への期待を込めました」とも付け加えています。

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「高輪ゲートウェイ騒動」で変わったか?

ところで、新駅名の選定では、2018年の「高輪ゲートウェイ」が物議を醸しました。あの騒動の前後で、新駅命名の傾向に変化があったか、気になったので調べてみました。

最近の新駅名を、以下に挙げてみます。年月は命名発表の時期です。

2020年12月 泉外旭川駅(奥羽線)
2020年11月 嬉野温泉駅、新大村駅(長崎新幹線)
2020年9月 門出駅(大井川鐵道)
2020年8月 えちご押上ひすい海岸(えちごトキめき鉄道)
2019年12月 みなみ寄居〈ホンダ寄居前〉(東武東上線)
2019年6月 令和コスタ行橋駅(平成筑豊鉄道)
2019年2月 御厨駅(東海道線)
2018年12月 虎ノ門ヒルズ駅(東京メトロ日比谷線)
2018年12月 高輪ゲートウェイ駅(山手線・京浜東北線)
2018年11月 南伊予駅(予讃線)
2018年10月 Jヴィレッジ駅(常磐線)
2018年7月 箕面船場阪大前駅、箕面萱野駅(北大阪急行)
2018年7月 梅小路京都西(嵯峨野線)
2018年5月 糸島高校前(筑肥線)

「高輪ゲートウェイ騒動」を教訓に、命名の傾向がオーソドックスに振れたのかな、と思っていたのですが、大きな変化は見て取れませんでした。あくまで印象論ですが。

というよりも、「ゲートウェイ」というネーミングが、地名とも施設名とも直接関係ない、という点で異質かな、というのが、個人的な感想です。(鎌倉淳)

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