首都高速会社が手がける「新大宮上尾道路」与野~上尾南間の工事が本格化しています。首都高の与野JCTから分岐して上尾南出入口に至る路線で、将来的には圏央道への接続も目指しています。
設計80km/hの高速道路
首都高「新大宮上尾道路」は、さいたま市中央区から鴻巣市に至る25.1kmの自動車専用道路計画です。
このうち、首都高速埼玉大宮線と接続する与野JCT~上尾南出入口(仮称、以下同)間の8.0kmが事業化されていて、2017年度から国土交通省関東地方整備局と首都高速道路会社が共同で建設を進めています。
国道17号(新大宮・上尾バイパス)の上部に4車線(片側2車線)の高架道路を建設します。途中、大宮、宮前南、宮前に出入口を設けます。設計速度は80km/hです。
完成予定2027年3月
首都高速道路のIR報告書によりますと、完成予定は2027年3月。ただし、この完成予定は、高速道路保有・債務返済機構との協定上の年月です。2017年4月に事業着手し、事業期間を10年と見積もって、2027年3月が完成予定となっているにすぎません。
したがって、2027年3月は「完成予定」に違いありませんが、実際にこの年月に開通するかどうかは定かではありません。それでも、道路空間はほぼ確保されていますので、おおむね2020年代後半には開通できそうです。
圏央道アクセスが便利に
首都高「新大宮上尾道路」のうち、2027年に完成予定となっているのは、与野JCT~上尾南出入口間だけです。計画上は、その先、圏央道の桶川北本ICを経て鴻巣市箕田地先までの建設構想があります。桶川北本まで延伸すれば、首都高が圏央道に接続します。鴻巣まで延伸すれば、国道17号熊谷バイパスに接続します。
このうち、桶川北本IC付近までは、平行する一般道路(国道17号上尾バイパス)が開通済みです。一部区間は暫定2車線の整備にとどまっていますが、4車線化の工事も進められています。
首都高が上尾南まで延伸し、上尾バイパスが桶川北本ICまで全面4車線化すれば、さいたま市内から圏央道のアクセスは、ある程度スムーズになりそうです。上尾南~桶川北本IC間は約7kmです。
圏央道接続はいつ?
ドライバーの期待は、首都高「新大宮上尾道路」の圏央道接続でしょう。こちらに関しては、一般道(上尾バイパス)の4車線化が完成し、高速道路を建設する道路空間が確保されてからの着手となりそうです。
その時期がいつになるかまでは見通せませんが、事業期間を10年程度と見積もると、首都高の圏央道接続は、早くても2030年代半ばになりそうです。
その先、桶川北本~鴻巣間は、一般道路(上尾バイパス)については事業着手しています。2020年に行われた事業再評価によれば、供用年は2032年度となっています。首都高が鴻巣に至る時期は未定ですが、上尾バイパスの全通後になるでしょう。(鎌倉淳)