「ぷらっとのぞみ」発売終了へ。東海道新幹線の格安チケットは短命に

存在感小さく

JR東海ツアーズの東海道新幹線格安チケット「ぷらっとのぞみ」が2021年3月31日で発売終了になります。発売開始から約半年の短い命でした。

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2020年9月発売開始

「ぷらっとのぞみ」は、JR東海ツアーズが2020年9月17日に発売開始した旅行商品です。東海道新幹線の「のぞみ」号の片道指定席券に1ドリンクの引換券が付き、通常価格よりも格安で乗車できるという商品でした。

当初から期間限定と告知され、利用期間は2020年10月1日~2021年3月12日出発分と設定されていました。3月13日のダイヤ改正後も継続設定されましたが、年度末の3月31日利用分を以て発売終了する旨が告知されました。発売開始から約半年で、「ぷらっとのぞみ」は姿を消すことになります。

東海道新幹線

12~14%割引

「ぷらっとのぞみ」の価格は、普通車指定席プランの東京~名古屋が10,000円、東京~新大阪間が12,700円などです(いずれも通常期)。正規価格はそれぞれ11,300円、14,720円ですから、約12~14%引きの値段でした。

グリーン車プランもあり、東京~名古屋間が12,100円、東京~新大阪間が14,700円です。正規価格は14,960円、19,590円ですので、こちらは約20~25%引きです。割引率としては、普通車プランよりグリーン車プランのほうがお得でした。

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存在感小さく

普通車プランの場合、EX早特21よりも高いものの、出発3日前まで予約可能ということで、エクスプレス会員でない人には、相応のお得感はありました。しかし、激安とまではいえないうえに、設定列車が毎時1本程度とかなり少なく、ピーク時間帯には設定がないこともあり、あまり使い勝手がいいとは言えませんでした。

グリーン車プランは割引率が大きく、毎時1本程度は同じですが、同価格帯の「EXグリーン早特」よりは利用可能な時間帯が広くとられていました。そのため、どちらかというと、グリーン車プランのほうが利用価値は高かったと思います。

実際のところ、「ぷらっとのぞみ」にどの程度の利用者がいたのかは定かではありませんが、東海道新幹線の格安チケットとしての存在感は小さかったように感じられます。

「ぷらっとこだま」は継続

JR東海が「のぞみ」に格安チケットを設定することが珍しいこともあり、「ぷらっとのぞみ」は、発表時に驚きを以て受け止められました。

JR東海が珍しく「のぞみ」の安売りに踏み切った背景として、新型コロナウイルス感染症の影響で東海道新幹線の乗車率が低かったことに加え、売り上げが激減したJR東海ツアーズを支援する目的もあったようです。

ただ、同社は「ずらし旅」などのキャンペーンなどが当たり、新型コロナ禍後、旅行会社のなかでは比較的堅調に回復してきています。そうした状況の変化もあり、「ぷらっとのぞみ」は、当初予定の設定期間をほとんど延長することなく、販売終了になったのでしょう。

なお、JR東海ツアーズの兄弟商品といえる「ぷらっとこだま」は、4月1日以降も販売を継続します。

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