「路線バスで鬼ごっこ!」第8弾 首都圏決戦!を少しだけ分析する。得意技を封じられ

ダメだ、向いていない

2日目の検証

2日目、太川チームは、守谷市から野田市へ向かう途中、きぬの里で松本チームに捕まり、30分間拘束されます。守谷市から野田市へ向かうのに他路線はなく、便数も限られるため、両チームとも同じバスに乗らざるをえません。したがって、ここで捕獲されるのは避けらなかったでしょう。

問題はその後で、太川チームは松本チームに1時間遅れて野田市をめざしますが、第5チェックポイントのミッション潰しは無理と判断し、愛宕駅で下車。その後に備えました。

そして、松本チームがミッションを終えると、坂東市役所へ転じて宝箱を獲り、タクシーを使って道の駅さかいに達し、松本チームを確保しました。

▼太川チーム
小山入口09:10→09:21愛宕駅10:02→10:27岩井局前→徒歩0.3km→坂東市役所(宝箱)→徒歩0.3km→10:52岩井局前11:00→タクシー9.8km→11:10ファミリーマート境下小橋店→徒歩1.5km→道の駅さかい

▼松本チーム
きぬの里07:33→07:44七郷小入口→徒歩0.4km→自然博物館入口08:12→08:36野田市駅→徒歩1.3km→ほのか(☆)→徒歩1.3km→09:44野田市駅(野田営業所)→徒歩1.2km→愛宕駅10:12→10:41川間駅11:05→11:49道の駅さかい

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愛宕駅で降車しなかったら

では、仮に太川チームが愛宕駅で降車せず、そのまま第5チェックポイントのほのかを目指していたらどうなっていたでしょうか。

その場合、野田市駅に着いたあたりで松本チームのミッション完了を知り、次のチェックポイントの情報を得て、坂東市役所に向かうことになっていたでしょう。これは実際ルートと同じバスで岩井局に向かうことを意味します。

▽太川チーム
小山入口09:10→09:31野田市駅09:55→10:27岩井局前

一方、実際の松本チームは野田市駅近くの茨城急行自動車野田営業所で情報を収集し、愛宕駅で太川チームをかわし川間駅へ向かいました。

▼松本チーム
ほのか09:20→09:44野田市駅(野田営業所)→徒歩1.2km→愛宕駅10:12→10:41川間駅南口

両チームの動きを重ねると、ほぼ同時刻に両チームが野田市駅近辺でかち合うことになります。そのため、おそらくは野田市駅付近で太川チームが松本チームを確保し、松本チームは15分から30分間、抑止されていたでしょう。

15分の抑止の場合は実際ルートに収斂し、太川チームと松本チームの親子が逆転した状態で道の駅さかい着。親の太川は11時27分着、子の松本は時刻表上で11時40分着となります。

太川が道の駅さかいでのチェックポイントをクリアしたくらいに松本チームが到着して確保し、松本チームが子となって出発。しかし、境町から古河市へ行くバスを待っているうちに太川チームが再確保し、太川が子、松本が鬼となって最終チェックポイントに向かっていた可能性が高いでしょう。

つまり、親子が逆転した形で最終局面となります。

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野田市駅で30分抑止の場合

松本チームが野田市駅で30分抑止の場合、川間駅へのバスに間に合わないため、野田市駅10時56分のバスで坂東市役所方面へ追いかけるしかなくなります。

▼松本チーム
野田市駅10:56→11:28岩井局前→坂東市役所→タクシー+徒歩11.5km→13:00道の駅さかい

このとき、坂東市役所で得られる宝箱の金額は500円なので、タクシーの残額は2,200円となります。坂東市役所から道の駅さかいまでは11kmあり、2,200円でタクシーに乗れるのは6~7kmです。

したがって、4~5kmは歩かなければならず、道の駅さかいに到着するのは13時ごろ。この時点で、太川チームは古河駅に達している可能性が高く、松本チームは苦しい状況で最終局面を迎えることになっていたでしょう。

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最終局面の検証

では、勝負を分けた、最終の第7チェックポイントからゴールへの乗り継ぎを検証してみましょう。

境町のバス停で太川チームが捕まり、松本チームが逃げ子となって古河駅方面へ向かいます。太川チームは30分の待機後、1便あとのバスで追いかける形となりました。

▼松本チーム
道の駅さかい12:11→境町(確保)→12:25境車庫12:29→13:07古河駅西口→徒歩2.5km→野木小学校(☆)→徒歩2.5km→14:29古河駅→タクシー2.4km→新古河駅→タクシー15.7km→中一丁目付近→徒歩0.6km→15:16幸手駅15:45→15:55杉戸高野台駅→徒歩2.7km→16:15東埼玉総合病院16:40→16:50すぎと幼稚園・すぎと保育園前/豊後16:52→17:05東武動物公園駅→徒歩0.8km→17:15東武動物公園

▼太川チーム
境町13:20→13:48古河駅入口→徒歩0.4m→古河三丁目13:54→13:59マーケットシティ古河→徒歩0.7km→野木小学校(☆)→徒歩2.5km→15:00古河駅入口15:04→15:27(遅延15:43)境町16:11→16:50東武動物公園駅→徒歩0.8km→17:00東武動物公園

子の松本チームは、最終ミッションを野木小学校で14時ごろに終えて、鬼と合わないよう道を選びつつ、14時30分ごろに古河駅到着。そこからタクシーで新古河駅に行き、宝箱で3,000円を得てから幸手駅方面に向かいました。

ただ、タクシー代が途中で尽きてしまい、幸手駅の手前で降車。幸手駅15時15分発のバスをタッチの差で逃し、次発の15時45分発で杉戸高野台駅へ向かいます。

しかし、杉戸高野台駅から先のバスがなく、東埼玉総合病院へ転じたものの、ゴールは17時15分ごろ。太川チームの後塵を拝しました。

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東古河ルート

では、古河駅に14時30分ごろにいて、松本チームが太川チームと遭遇せずに早くゴールする方法はなかったのでしょうか。

まず、古河駅から境方面のバスは15時03分で、これを待っていたら太川チームに追いつかれてしまいます。したがって、境方面行きバスに乗る選択はありません。

もう一つの選択としては、古河駅東口からJR関東バスの東古河妻線に乗る方法があります。

▽松本チーム
古河駅14:30→14:58健康の駅→タクシー6.7km、2,090円→境車庫15:30→16:15東武動物公園駅

健康の駅から境車庫の間6.7kmをタクシーでつなげば、境車庫15時30分発のバスに乗れます。このバスは、太川チームが境町で乗った便より1本早い便です。したがって、太川チームより早くゴールできます。

ただ、松本チームが古河駅に着いたのが14時29分でしたので、あらかじめ調べていなければ、東口を14時30分に出発するバスには間に合わなかったでしょう。境車庫から古河駅西口に着いたとき、最終チェックポイントも知らされていない段階で、東口を出るバスの時刻をチェックするのは非現実的な気がします。

つまり、東古河ルートは、実現は困難だったように感じられます。

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和戸ルート

となると、松本チームがタクシーで新古河駅へ向かって宝箱を取りにいったことは間違いではなさそうです。その場合に、別の方法がないかも検討してみましょう。

まずは、杉戸高野台駅から、和戸駅方面へ向かった場合です。

▽松本チーム
幸手駅15:45→15:57杉戸高野台駅→徒歩2.0km→和戸公民館入口16:18→16:35公設宮代福祉医療センター六花→徒歩0.3km→東武動物公園

杉戸高野台駅から和戸駅を目指して急げば、途中の和戸公民館入口で、宮代町のコミュニティバスの停留所に出会えたでしょう。タイミング良くバスが来て、乗れば東武動物公園東ゲート近くまで運んでくれます。定刻なら16時40分ごろにゴールできていたでしょう。

ただ、和戸に行けばバスがあると知っていないと、杉戸高野台駅ですぐに走り出すのは難しいでしょう。杉戸高野台駅でバス停探しに時間をかけたりしていたら、和戸からのバスに間に合いません。そう考えると、これも実現性でやや難がありそうです。

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東武動物公園駅まで歩いたら

もっとシンプルに考えて、杉戸高野台駅から東武動物公園駅まで歩いたらどうでしょうか。距離は約3.5kmです。

▽松本チーム
15:57杉戸高野台駅→徒歩3.5km→東武動物公園駅16:40→16:43東武動物公園

東武動物公園駅西口から東武動物公園東ゲートまでバスがあり、夕方は10分間隔で運転しています。

杉戸高野台駅から東武動物公園駅までの3.5kmを約40分で歩き切れば、16時40分発のバスに間に合います。太川チームの東武動物園駅到着が時刻表上は16時50分なので、先んじる形でゴールできたでしょう。

「バスでゴール」という不文律があったとしても、駅からゲートまでバスに乗りますので、条件を満たします。

まとめると、松本チームが最終局面で逆転するのは難しいですが、可能性はいくつかあり、なかでも東武動物公園駅まで歩くのが、もっとも現実的な方法だったように思えます。

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まとめてみると

今回は道路が混雑する首都圏が舞台ということもあり、全体的にバスの遅延が多く、時刻表上の検証だけでは測れない難しさがありました。

時刻表上で優れたルートがあったとしても、短時間の乗り継ぎが現実に成立するかは怪しいので、今回のルート検証はいつも以上に机上論のきらいがあります。

そうしたなかで、手堅いルート選びをしてミスが少なかったのは太川チームでしょう。一方の松本チームは、フィジカルという得意技をメンバー構成で封じられ、やや苦戦した印象があります。

これで対戦成績は4勝4敗の五分となりました。次回も楽しみです。(鎌倉淳)

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