「路線バスで鬼ごっこ!」第6弾 南房総を少しだけ分析する。見つからなかった最速ルート

やっぱフィジカルですよ

「ローカル路線バスで鬼ごっこ!」の第6弾が放送されました。太川陽介と松本利夫がチームを率いて対戦する番組です。バスの乗り継ぎ部分について、少しだけ分析してみました。

なお、以下はネタバレ100%です。また、記事公開後に加筆・修正することがあります。あらかじめご了承ください。(文中敬称略)

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ぱるる登場

テレビ東京の「路線バスで鬼ごっこ!」は、「ローカル路線バスの旅」シリーズの企画の一つ。2022年5月4日に放送された第6弾では、ルイルイこと太川陽介とEXILEの松本利夫がそれぞれチームを率い、千葉県南房総市~木更津市で対戦しました。太川チームにはぱるること島崎遥香とニシダ(ラランド)が参加。松本チームにはゆん(ヴァンゆん)、金子貴俊が参加しました。

「鬼ごっこ」のルールは、ミッションをこなしながら逃げるチームを鬼チームが追いかけ、写真を撮れば攻守交代するというもの。2日間の勝負で、先にゴールしたチームが勝者となります。

オプションとして「宝箱」の置いてある場所へ行けばタクシー代が得られます。気になった局面について、少しだけ乗り継ぎを検証してみましょう。

路線バスで鬼ごっこ第6弾
Ⓒテレビ東京

路線バスで鬼ごっこ第6弾
Ⓒテレビ東京

水バラ ローカル路線バス対決旅 路線バスで鬼ごっこ第6弾 春の南房総で追いかけっこ
【出演】太川陽介、島崎遥香、ニシダ(ラランド)、松本利夫(EXILE)、ゆん(ヴァンゆん)、金子貴俊
【放送日】2022年5月4日(水) 18時25分~21時54分(テレビ東京系列)

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局面ごとに検証

「路線バスで鬼ごっこ」は、鬼と逃げ子が途中で入れ替わり、入れ替わった際に鬼は「ロック」され、その場にとどまらなければならない、というルールがあります。そのため、全体の乗り継ぎを検証することに意味はありません。

ここでは、局面ごとに、他の乗り継ぎ方法がなかったかを検証してみます。以下、実際ルートは「▼」、検証ルートは「▽」で示します。表示している時刻は定刻で、番組ではっきり表示されなかった乗り継ぎは筆者による推測です。☆はチェックポイント、★は宝箱、金額は獲得金額です。距離はGoogleマップでの計測です。

野島崎灯台の検証

1日目、冒頭から気になったのは、両チームが野島崎灯台から最初のバスに乗るまでのアプローチです。

最初に太川チームを振り返ります。野島崎灯台口バス停を見つけるのに手間取って07時12分発のバスを逃し、07時27分発のバスに乗りました。

▼太川チーム(逃げ子)
野島崎灯台口07:27→07:55館山駅前08:10→08:18那古

仮に、07時12分発のバスに乗れていたら、どうなっていたでしょうか。

▽太川チーム(逃げ子)
野島崎灯台口07:12→07:50館山駅前08:10→08:18那古

このように、館山駅前到着は実際ルートの定刻07時55分と5分しか違いません。その後、那古方面へのバスは同じになります。

以下は、南房総エリアのバス路線図ですが、野島崎灯台口から館山方面へは3ルートがあり、太川チームが乗った7時27分発の豊房線が、館山への所要時間で最短です。そのため、先発バスに乗れなかった影響はありませんでした。

南房総のバス路線図
画像:南房総市観光協会ウェブサイト
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安房白浜まで走った意味はあったか

一方、松本チームは、野島崎灯台口のバス停を確認した後、安房白浜バス停まで走って、07時40分発のバスに間一髪で間に合いました。

▼松本チーム(鬼)
野島崎灯台07:30→徒歩1.6km→安房白浜07:40→08:36館山駅前09:20→09:54不寝見川

序盤からミラクルを発揮しましたが、これに乗り遅れていたらどうなっていたでしょうか。

▽松本チーム(鬼)
安房白浜08:10→08:50館山駅前09:20→09:54不寝見川

館山駅前到着が実際ルートの08時36分より14分遅くなりますが、その先のバスは同じです。

松本チームが実際に乗ったバスは千倉を経由して館山に至る便で、館山駅まで1時間近くかかります。これに対し、後発の08時10分発は南房州本線で、館山駅まで40分で到着します。しかも、このバスは野島崎灯台口のバス停も通ります。

つまり、松本チームは安房白浜まで走る必要がなかっただけでなく、そもそも行く必要もなく、野島崎灯台口で8時すぎまで待っていればよかった、ということになります。

端的にいうと、スタート時の太川チームの「小さなミス」も、松本チームの「走ってミラクル」も、その後の乗り継ぎには影響を及ぼしませんでした。

ただ、実際ルートで松本チームが館山駅で乗ろうと思えば乗れた、08時40分発の那古方面行きには、安房白浜08時10分発では間に合いません。

確認すると、館山駅08時40分発の那古方面行きに乗った場合でも、那古周辺で鬼と子の入れ替わりが生じることに変わりはなかったと思われます。

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太川チームが小浜へ向かったら

次に気になったのは、第2チェックポイント終了後、両チームの安房鴨川へのアプローチでしょうか。

鬼の太川チームは、那古から小浜方面へ向かっていたバスを途中で降りて館山に引き返し、安房鴨川行きのバスに乗りました。一方、逃げ子の松本チームは、岩井から鋸南町に入り、保田から鴨川へのバスに乗りました。

▼太川チーム(鬼)
那古10:43→10:51大房岬公園入口11:29→11:50館山駅前13:50→14:56鴨川シーワールド

▼松本チーム(逃げ子)
岩井駅→徒歩2.1km→11:37消防署前12:48→13:01保田駅→徒歩0.8km→道の駅保田小13:53→14:44鴨川シーワールド

このとき、太川チームが鬼ごっこの趣旨に照らし、バスを降りずに松本チームを追いかけていたらどうなっていたでしょうか。上記の実際ルートで大房岬公園入口で降りたバスを、そのまま終点小浜まで乗っていたら、という話です。

▽太川チーム(逃げ子)
那古10:43→11:01小浜→徒歩5.8km→消防署前12:48→13:03保田駅→徒歩0.8km→道の駅保田小13:53→14:44鴨川シーワールド

このように、5.8kmを1時間47分で歩けば、消防署前12:48発のバスに間に合います。これは松本チームが乗ったバスですので、バス停で松本チームを捕まえることができたでしょう。

その場合、松本チームは、消防署前で最低30分の待機を余儀なくされるため、道の駅保田小13時53分発の鴨川シーワールド行きバスに乗るのはほぼ不可能になります。次のバスは17時18分発までありません。

となると、当日中に勝浦に着くのは難しいため、鴨川泊となる可能性が高いです。翌朝は鴨川から木更津方面のバスに乗るほかなさそうですが、大苦戦は免れません。

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安房鴨川へのアプローチ

ちなみに、南房総エリアから鴨川へのアプローチには、両チームが利用したバス路線しかなく、時刻表は以下のようになっています。

■館山ルート
館山駅前11:15→12:21鴨川シーワールド
館山駅前13:50→14:56鴨川シーワールド
館山駅前15:50→16:56鴨川シーワールド

■保田ルート
道の駅保田小学校10:23→11:14鴨川シーワールド
道の駅保田小学校13:52→14:44鴨川シーワールド
道の駅保田小学校17:18→18:05鴨川シーワールド

番組での設定に照らしてみると、それぞれ13時50分頃に館山駅前もしくは保田小学校を出て、14時50分頃に鴨川シーワールドに着く便以外に、競合する現実的なアプローチはありません。

そうした状況で、館山駅に近い位置にいた太川チームは館山駅ルートを採り、保田に近い位置にいた松本チームは保田ルートを採りました。

つまり、それぞれが適切な選択をしたということで、第2チェックポイントを獲得したチームが、鴨川シーワールドにわずかに先着する設定になっていました。

見方を変えれば、太川チームが松本チームを追いかけなかったことは、そういう「仕様」になっていたので、その点では「正解」だったことになります。

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興津駅でバスを待ったら

1日目、最後のポイントは、上総興津駅の判断でしょうか。両チームとも小湊ウオーポートで宝箱を開けたあと、タクシーで上総興津駅に至りバス停に立ち寄るものの、すぐに出るバスがなく、タクシーに乗り続けて、残りを歩くという選択をします。

▼松本チーム(鬼)
小湊ウオーポート★→タクシー8.5km、2,960円(途中上総興津駅)→鵜原交差点付近→徒歩約4.4km→18:13三日月ホテル勝浦☆

ただ、松本チームは、興津駅で1時間ほど待てばバスがありました。待っていたらどうなっていたかが気になります。

松本チームが、途中の上総興津駅に立ち寄ったのが17時30分頃。このとき、1時間、バスを待つ決断をしたら、以下のようになります。

▽松本チーム(鬼)
小湊ウオーポート★→タクシー6.8km、2,500円→17:30興津駅18:34→18:55勝浦駅入口→徒歩0.2km→三日月ホテル勝浦☆

このように、三日月ホテルに到着するのは19時頃になります。ただ、この時間には太川チームはミッションを終了していたので、松本チームは三日月ホテルに立ち寄らないかもしれません。

その場合、松本チームが勝浦駅に到着するのは18時56分。一方、太川チームは18時50分のバスで大多喜方面に出発してしまっていた可能性が高いです。すなわち、勝浦での攻守交代は起こらず、2日目は太川チーム先行で展開したとみられます。

となると、松本チームが興津駅で待たずに歩いたことには意味があったといえそうです。

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