名松線が6年ぶり全線復旧へ。JR東海が4億6000万円を投資して復旧工事に着手、家城~伊勢奥津間の運転再開は2015年度

JR東海は、2013年5月15日、名松線家城~伊勢奥津間の復旧工事に着手すると発表しました。5月30日に復旧に着手し、費用は約4億6,000万円を見込んでいます。

名松線は三重県の松阪~伊勢奥津間を結ぶJR東海のローカル線。2009年10月の台風18号により大きな被害を受けました。土砂流入や道床・盛土流出などの被害が40カ所近くに及び、家城~伊勢奥津間では現在も復旧しておらず、バス代行輸送が実施されています。

名松線

不通区間の復旧工事に関しては、鉄道の復旧はJR東海が担う一方、復旧の前提となる治山事業・水路整備事業は三重県と津市が実施します。これらの事業が順調に進展しているのを受けて、JR東海も鉄道の復旧に着手するものです。土砂の撤去と盛土の復旧、線路・電気設備の復旧がおもな工事内容となります。

復旧工事の完了は2015年度中。JR東海では、名松線家城~伊勢奥津間の運行再開時期を2015年度内としています。ただし、お役所の予算消化との兼ね合いで進むので、おそらく2016年3月頃になるとみられます。

一時は復旧断念とも伝えられた名松線ですが、復旧するのは喜ばしいこと。復旧させても投資額に見合う回収ができないのは確実ですが、それでも工事に着手したJR東海には敬意を表したいところです。災害の被害を受けたローカル線は復旧断念となるのが最近の潮流でしたが、今回はJRの矜持を見せつけられました。

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