天空の都市として知られる、ペルーのマチュピチュ遺跡をテーマとした展覧会「マチュピチュ展」が、11月に東京で開催されます。その概要とみどころをご紹介しましょう。
六本木ヒルズで開催
「マチュピチュ展」は、2025年11月22日(土)から2026年3月1日(日)まで、東京の森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されます。
マチュピチュといえば、南米ペルーにある、古代アンデス文明の巨大遺跡です。天空の都市という異名でも知られています。
今回の展覧会は、ペルーの首都・リマにある考古学博物館「ラルコ博物館」より貸与された文化財約130点を展示します。
以下では、展示構成と、主要展示品などの見どころをご紹介します。
イントロシアター
巨大スクリーンには、アンデスの大自然と天空都市マチュピチュが映し出されます。神話の英雄“アイ・アパエック”の登場とともに、展覧会全体のストーリーが幕を開けます。
アンデス世界
アンデスの人々が信じていた宇宙観─天空〈ハナン・パチャ〉、現実世界〈カイ・パチャ〉、地下〈ウカ・パチャ〉─という三層に重なる世界構造と、動物の力を借りて異界を自在に行き来するシャーマン(霊的な媒介者)の存在に迫る展示エリアです。アンデス独自の世界観と精神文化を体感できます。
展示されている「階段文様と半渦巻きのシンボル」は今回の巡回で初めてペルー国外へ出た作品です。
モチェの英雄アイ・アパエックの冒険
神話の英雄“アイ・アパエック”が挑む戦いと旅の物語を展示します。
アイ・アパエック葬送仮面や大きな耳飾りなど、迫力ある造形が神話の世界を鮮烈に伝えます。その他にも様々な生き物の姿に変身したアイ・アパエックの展示品が並びます。
犠牲の儀式
神に捧げられた戦士たちの犠牲の儀式を紹介します。儀式の場では、精鋭の戦士同士が戦い、敗者の血が神に捧げられました。この犠牲の儀式は、神々と人間界をつなぐ重要な役割を果たしていたと言われています。
金は「太陽の汗」、銀は「月の涙」とされ、それを身につけた戦士や祭司は神の力を帯びる存在と考えられていました。神聖な素材で作られた祭具や装身具から、当時の信仰と死生観がわかります。
祖先との出会い
アンデスの支配者たちが、死後に神へと昇華される存在としてどのように葬られていたかを、神聖な副葬品とともに紹介します。
10人の支配者それぞれが、実際に身につけていた装飾をそのままの姿で展示しています。金や銀に輝く姿は、祖先がいかに神として祀られていたかを、来場者へ静かに語りかけます。

マチュピチュ
展覧会の締めくくりとなるエリアで、インカ帝国の叡智と統治の形を伝えます。インカ帝国は、血縁を基盤とした政治制度と官僚機構により多様な文化を取り込み、金細工や建築、灌漑技術を発展させました。
なかでも象徴的なのが「キープ(結縄)」です。人口や収穫、祭祀の記録を担いました。人々の暮らしや祈りが込められており、インカ文明の記憶を今日に伝える貴重な遺産です。
開催概要
「マチュピチュ展」の開催概要は以下の通りです。
展覧会名 :マチュピチュ展
会期 :2025年11月22日(土)~2026年3月1日(日)
開館時間 :日~木 / 10:00~18:00(最終入館 17:30)
金・土・祝前日 / 10:00~20:00(最終入館 19:30)
入館料 :当日券・平日 2,800円(一般) ※予定
会場 :森アーツセンターギャラリー
(東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)
主催 :マチュピチュ展 実行委員会/NEON JAPAN株式会社
後援 :在日ペルー共和国大使館