東日本大震災で大きな被害を受けたJR気仙沼線の代替となるBRT(バス高速輸送システム)が、12月から柳津~気仙沼間で本格運行を開始します。JR東日本仙台支社・盛岡支社が、運行開始に合わせて実施する整備内容を発表しました。志津川駅を移設し、一部の駅で駅舎の供用を開始。その運行路線図、駅の概要が発表されています。また、ハイブリッド車両も導入されます。
同区間は東日本大震災で被災し、2012年8月20日からBRTでの暫定運行が始まりました。今回の本格運行開始にあわせて、志津川駅は現在の位置より北側の南三陸消防署跡地に移設されます。同時に新しい駅舎の供用も開始。新駅舎の設置場所は国道398号沿いの「南三陸さんさん商店街」近く。現在の停留所は旧鉄道駅舎跡にありますが、津波で流されたエリアのため、周囲に建物はなく人通りも少ないという問題があり、今回の移設となりました。
そのほか、ベイサイドアリーナ駅、歌津駅、陸前小泉駅、大谷海岸駅、松岩駅でも駅舎の供用を開始します。歌津~陸前港間は新たに整備された専用道(2.3km)の供用も開始されます。専用道は、すでに陸前階上~最知間(2.1km)で供用されていますので、今回が2カ所目です。
12月22日の本格運行開始に伴うダイヤ改正で、おもに本吉~気仙沼間で暫定運行時と比べて本数が増やされ、下り33本、上り30本になります。暫定運行時は下り26本、上り24本でしたし、被災前の列車本数は下り12本、上り10本でしたので、運行本数に関しては大幅な利便性向上といえます。志津川~本吉間は下り21本、上り18本となり、暫定運行時と比べて上り1本増加、柳津~志津川間は暫定運行時と同じ15往復での運行となります。
時刻表はこちら。
気仙沼線BRT時刻表
今回のダイヤ改正時より、ノンステップ型ハイブリッド車両による運行もスタートします。この車両は気仙沼線では初めて投入されるものです。
JRによる本格的BRTの運行は、気仙沼線が全国初。これはひょっとすると、全国のローカル輸送の未来像になるかもしれません。ひとつのモデルケースとして、注目に値するでしょう。