京阪電車が回数券廃止、ポイント還元開始。時差利用者には大幅値上げに

時代の流れだが

京阪電鉄は、京阪線と鋼索線の回数券を廃止すると発表しました。同時に「ICOCA」を使ったポイント還元サービスを開始しますが、回数券利用者には値上げになりそうです。

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時差回数券も姿消す

京阪電鉄は、京阪線と鋼索線の普通回数券などを、2020年12月30日発売限りで廃止すると発表しました。利用は2021年3月31日で終了します。廃止の理由は、回数券の利用率減少と、「PiTaPa」「ICOCA」をはじめとする交通系 IC カードの利用が増加していることだそうです。

廃止される券種は普通回数券、時差回数券(オフピークチケット)、土・休日割引回数券(サンキューチケット)です。身体障がい者・知的障がい者割引普通回数券、通学割引回数券は従前通り発売されます。

京阪では大津線の同種の回数券が2016年に廃止済みで、今回の措置により、京阪電鉄全路線で普通回数券類がなくなります。

京阪特急

ポイント還元サービス開始

代替として、2020年12月から、「京阪電車ポイント還元サービス」を京阪線と鋼索線で開始します。登録した「ICOCA」で、同一運賃区間を1か月間(1日~末日)に11回以上乗車した場合、11回目以降の乗車運賃合算額の10%分をポイントとして付与します。

例えば340円区間を14回乗車したときの付与ポイントは、11回目以降の4回分の運賃合計額1,360円(340円×4回)の10%に相当する130ポイントです(1ポイント単位の端数は切り捨て)。

この例でいえば、14回分の運賃総額からの還元率は2.7%となります。普通回数券の割引率が約9.1%であることを考えると、実質的には値上げといえます。土・休日回数券の約28.6%割引と比較すると、大幅値上げといってもいいでしょう。

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時間帯指定ポイントなし

JR西日本の「ICOCAポイント」には時間帯指定ポイントがあり、京阪神地区の特定の区間を、平日10時~17時まで、または土休日・年末年始の終日に、1ヵ月に4回以上利用した場合、4回目以降の利用1回ごとに、その区間の運賃の30%または50%のポイントが貯まります。

京阪のポイント還元サービスには、こうした時間帯指定ポイントが現時点ではありません。そのため、時差回数券や土・休日回数券の愛用者には、なかなか厳しい値上げに感じられそうです。

京阪電車ポイント還元サービスの利用には、利用登録が必要です。利用登録は、京阪電車の自動券売機およびチャージ機を利用します。ポイント還元を受けるにはチャージ機での操作が必要で、自動では積算されません。ポイントは、利用月から起算して3カ月後の末日までにチャージしなかった場合、失効となります。

時代の流れだが

紙の回数券を廃止してポイント還元に移行するのは、ICカードの普及という現実をみれば、時代の流れといえます。金券ショップの自動販売機が駅近くに置かれている状況を考えても、鉄道会社が紙の回数券を縮小・廃止するのはやむを得ない選択でしょう。

とはいえ、日中や週末利用者への優遇がなくなるのは、沿線住民には厳しい話です。

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