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JR北海道が新観光列車で「地域協力」めざす。キハ40と261系を追加投入

一体になって鉄道路線を支えていく

JR北海道が、キハ40形と261系を使った観光列車を追加投入します。東急電鉄から借り受ける「ザ・ロイヤルエクスプレス」などを含めて、観光列車に力を入れていきます。

「山紫水明」

JR北海道の島田修社長は、2019年2月14日の定例会見で、キハ40形を改造した観光列車「紫水(しすい)号」と「山明(さんめい)号」を投入すると発表しました。

すでに運行している「北海道の恵み」シリーズを踏襲したデザインで、美しい自然を表現する「山紫水明」がコンセプト。「紫水号」には紫色の車体に雪の結晶や星をモチーフとしたデザインが描かれ、「山明号」には、濃緑の車体に山や樹、畑をモチーフとした要素が描かれています。

紫水号

山明号
画像:JR北海道

車内の各座席には、木製テーブルなどを新たに設置し、旅行者がくつろげるようにします。運行開始は2019年9月です。

紫水山明
画像:JR北海道

「はまなす」「ラベンダー」

さらに、261系特急車両をベースにした新観光列車「はまなす編成」「ラベンダー編成」(各5両)を、2020年秋から運行します。この車両は261系5000代(仮称)と名付けられ、JR北海道は「新製」と表現していることから、既存車両の改造ではないようです。

261系5000代はまなす
画像:JR北海道

261系5000代ラベンダー
画像:JR北海道

261系5000代座席
画像:JR北海道

261系5000代は、261系の一部設備やデザインを変更。1号車をイベントや食事用のフリースペースとし、2~5号車は各座席にテーブルを備えて利用しやすくします。Wi-Fiやコンセントも設置します。

イベント列車のほか、多客期の臨時列車や定期列車の代替輸送など、多目的に使用します。運行開始は2020年秋の予定です。

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「ザ・ロイヤルエクスプレス」も

このほか、JR北海道では、2019年夏にJR東日本の「びゅうコースター風っこ」を使用した「風っこ そうや」を、2020年夏に東急電鉄の「ザ・ロイヤルエクスプレス」を使用した観光列車を運行します。

「風っこ そうや」は宗谷線の旭川~音威子府~稚内間を運行。「ザ・ロイヤルエクスプレス」は札幌~道東エリアを走ります。これらについては、以下の記事をご覧ください。

「ザ・ロイヤルエクスプレス」が機関車重連でJR北海道を走る! 観光列車プロジェクトを発表

9種の観光列車

JR北海道は、現在、9種類の観光列車用車両を保有しています。以下の通りです。

JR北海道の観光列車
画像:JR北海道

これら9種の観光列車に、今後投入される2種類を含めると、JR北海道の観光列車は、総勢11種類となります。

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JR北海道が力を入れる理由

観光列車は運行コストもかさむため、列車単独での収益性は、必ずしも高くありません。一方で、誘客効果はありますので、周辺路線や観光地に波及効果が生まれます。

JR北海道がこの時期に観光列車に力を入れるのは、地域貢献への姿勢を明確にする狙いがあるとみられます。列車運行が赤字でも、地域への経済波及効果が認められれば、国や自治体が、経営難のJR北海道を支援しやすくなります。

そのため、これら観光列車は、国や地域からの支援が不可欠な路線に、主に投入されていく可能性が高そうです。すなわち、「単独維持困難線区」のうち、存続を目指す以下の8線区です。

・宗谷線(名寄~稚内)
・石北線(新旭川~網走)
・釧網線(東釧路~網走)
・花咲線(釧路~根室)
・根室線(滝川~富良野)
・富良野線(富良野~旭川)
・室蘭線(沼ノ端~岩見沢)
・日高線(苫小牧~鵡川)

「地域と一体となって支えていく」

島田社長は、観光列車について、「地域住民から要望が多い」と認めたうえで、その運行の意味について「地域の鉄道路線を地域と一体となって支えていくという機運づくりに役立つ」としました。

そのうえで、「観光ルート作りなどで地域の協力を受けながら、持続可能な鉄道運行の実現に取り組んでいきたい」と強調。ローカル線維持に向けて、観光列車をJR北海道と地域協力の象徴にしたい意向を示しています。(鎌倉淳)