佐川急便が、トラックで運んでいた荷物の一部を、北越急行「ほくほく線」による鉄道輸送に切り替えます。車両の一部に荷物を置けるようにしたほくほく線の列車が1日1往復、トラックの代わりに宅配便の荷物を運びます。
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六日町・上越市の営業所を結ぶ
各紙報道によりますと、佐川急便と北越急行は、宅配便の荷物を乗客とともに車両に載せて運搬する事業を、2016年秋にも始める方針です。対象となるのは六日町駅とうらがわら駅の間の約46kmの区間で、上下1日1本が、車両の空きスペースに佐川急便の宅配便荷物を積載して運行します。
この荷物は、佐川急便の六日町、上越の両営業所間を行き来するものです。両駅での積み込み・積み出しは、佐川急便の営業所スタッフが行います。佐川急便は天候不順や交通事故で輸送時間に遅れが出るリスクなどを軽減でき、将来の運転手不足に備える意味もあるそうです。
北越急行は新潟県の第三セクターですが、北陸新幹線開業に伴う特急「はくたか」の廃止後、旅客運輸収入が激減。新たな収入源を模索していた北越急行と、佐川急便の思惑が一致しました。2016年秋に試行を開始し、2017年度早い時期に本格スタートを目指します。
画像:北越急行ホームページ
ヤマト運輸は路線バスと混載
旅客向けの公共交通機関で貨物を運ぶ「貨客混載」は、最近になって、国土交通省が民間に導入を促しています。地域交通の維持と宅配便の配送網の効率化を目指すもので、すでにヤマト運輸が宮崎交通や岩手県北バスなどと組んで、路線バスでの宅配便の荷物輸送を開始しています。
鉄道の旅客列車が宅配便の荷物輸送を担うのは、これが初めてです。今回はほくほく線ですが、こうした取り組みが可能な鉄道路線は全国に多数あるはず。第三セクター鉄道のみならず、JRのローカル線でも実施してもいいのではないかと思います。(鎌倉淳)
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