茨城県のひたちなか海浜鉄道湊線が、鉄道事業再構築実施計画を申請しました。国営ひたち海浜公園方面への延伸を最大の目的としたもので、認定されれば、2026年度から「みなし上下分離」に移行し、延伸事業に着手します。
国営ひたち海浜公園へ延伸
ひたちなか海浜鉄道湊線は、茨城県勝田~阿字ヶ浦間17.4kmを結ぶローカル鉄道です。かつては茨城交通が運営する民鉄でしたが、2008年にひたちなか市が50%強を出資する第三セクターに移管しました。
さらに、阿字ヶ浦から国営ひたち海浜公園方面へ3.1kmの延伸を計画中です。
延伸事業の着手を前に、ひたちなか市とひたちなか海浜鉄道は、2025年10月31日に、湊線の鉄道事業再構築実施計画の認定を申請しました。

みなし上下分離に
鉄道事業再構築に際して、ひたちなか海浜鉄道は、みなし上下分離方式に事業構造を転換します。
みなし上下分離というのは、これまで通り、ひたちなか海浜鉄道が第1種鉄道事業者として運営するものの、設備の維持や更新にかかる費用を沿線自治体が負担するという形です。国は社会資本整備総合交付金により費用の最大50%を負担します。
ひたちなか海浜鉄道の場合は、設備維持だけでなく、延伸事業の費用も再構築によりまかないます。

 
総事業費126億円
延伸事業は、先行開業区間(第1期)と第2期に分けられています。先行区間は公園南口付近(新駅1)までで、第2期に西口付近(新駅2)まで延伸します。
先行区間の事業費は59億2300万円、第2期は67億1800万円で、総事業費は126億円4100万円です。計画が認定されれば、自治体負担分の半額の国庫補助を受けられます。
ひたちなか海浜鉄道では、計画の認定を前提に、2026年度から本格的に延伸事業に着手する予定です。
再構築事業では、延伸以外の利便性向上策も実施します。具体的には、那珂湊駅と延伸区間の新駅(2駅)にキャッシュレス券売機を導入。那珂湊駅ではトイレの洋式化もおこないます。(鎌倉淳)
                
		
























