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名鉄広見線、26年度は「暫定支援」で存続。再構築までの1年限り

新可児~御嵩間

存廃が議論されてきた名古屋鉄道広見線の新可児~御嵩間について、2026年度も従来と同じ形で自治体が支援し、運行を継続することが明らかになりました。2027年度からは「みなし上下分離」に移行して鉄道事業再構築事業の認定を受ける方針で、1年間だけの「暫定支援」による存続となるようです。

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新可児~御嵩間7.4km

名鉄広見線は、犬山~新可児間22.3kmを結ぶ路線です。運行系統は犬山~新可児間と新可児~御嵩間で完全に分断されていて、犬山~新可児間は終日おおむね15分間隔で列車が走る複線区間です。

一方、新可児~御嵩間7.4kmは、可児盆地の東に向かう単線区間で、運転本数はおおむね30分間隔です。この区間では年間約2億円2000万円の赤字が生じていて、沿線自治体が名鉄と協定を締結し、運行を支援してきました。

名鉄広見線6000系

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みなし上下分離に移行

直近に結ばれた2023年度からの協定では、御嵩町が年7000万円、可児市が年3000万円の、計1億円の運行費を負担しています。差し引きすると、名鉄が約1億2000万円の赤字をかぶっていることになります。

この支援の枠組みは2025年度までで、2026年度以降について、名鉄が同じ内容では更新できない旨を沿線自治体に伝えていました。

これを受け、可児市、御嵩町、八百津町の沿線3市町では、御嵩町が中心となって、存廃を含めた検討をおこない、その結果、2027年度からみなし上下分離方式に移行する方針を明らかにしていました。

みなし上下分離とは、形式的には名鉄がこれまで通り路線を運営しますが、施設の維持管理費について、自治体が費用を負担する形です。

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「暫定協定」を締結

協定が切れる2026年度の扱いについては未定でしたが、可児市は、従来と同じ協定を名鉄と締結したことを明らかにしました。2026年3月4日の可児市議会で、市側が質問に答える形で明らかにしました。

いわば1年限りの「暫定協定」で、これにより、2026年度の存続が正式に決まりました。

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新たな枠組みによる再構築事業へ

みなし上下分離方式に移行する2027年度以降については、国交省の「鉄道事業再構築事業」の認定を求める方針です。認定を受ければ、社会資本整備総合交付金により、設備更新費などで多額の補助が得られます。

再構築事業にくわわるのは可児市と御嵩町です。両市町では、認定を受けるための計画を策定中で、順調にいけば、2027年度以降は新たな枠組みでの運行となりそうです。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。