新観光列車「ひなび」はどこを走るのか。「リゾートあすなろ」を改造

岩手・青森県がエリア

JR東日本が新観光列車「ひなび(陽旅)」を導入します。観光列車「リゾートあすなろ」の1編成を改造するものです。

広告

「ぬくもりのあるゆったりとした旅」

JR東日本盛岡支社は、新たな観光列車「ひなび(陽旅)」を導入すると発表しました。「ひなび」は、ディーゼルハイブリッド車両HB-E300系気動車の「リゾートあすなろ」1編成を改造するものです。

列車名の由来は、「ぬくもりのあるゆったりとした旅」。「北東北の自然」と「地域とのつながり」をコンセプトに、岩手・青森の自然を車窓から感じられる列車となります。

外観は、かつて盛岡支社管内の気動車に用いた、白地に赤ラインの配色を採用しました。いわゆる「盛岡色」ですが、横のラインを紐に見立て、先頭には水引の結びである「梅結び」をデザインすることで、地域と地域を結ぶ列車をイメージしています。

2両編成の連結部には、車両をまたぐ形で山をデザインし、波や川の模様、花吹雪などを配置して豊かな自然を表現します。

ひなび
画像:JR東日本プレスリリース

ひなび外観
画像:JR東日本プレスリリース

広告

ボックスシートを導入

「リゾートあすなろ」から「ひなび」となって大きく変わるのは車内の座席配置です。

これまではよくある2×2のリクライニングシートでしたが、「ひなび」では1号車をボックスシート中心の配席に変更します。ボックス席は2人用と4人用があり、それぞれ中央にテーブルを設けます。また、窓に向かったカウンター席も設けます。

ひなび1号車
画像:JR東日本

広告

ボックスシートはファミリーに使いやすそうですし、カウンター席は一人旅にも適しています。幅広い客層に対応した観光列車といえます。

2号車は、2人掛けのリクライニングシートという、従来型の座席配置です。車椅子スペースや多目的トイレといったバリアフリー対応施設も設けます。また、1号車、2号車とも、眺望のいい先頭部にフリースペースを配置するようです。

ひなび2号車
画像:JR東日本プレスリリース

座席定員は、1号車が25名、2号車が34名で、合計59名です。指定席料金や車内サービスなどは未発表です。

広告

岩手・青森の各線区

「ひなび」の運行の詳細は未発表です。

運行区間については、「岩手県と青森県の各線区」とされています。特定の線区を走るのではなく、時期やイベントにあわせて機動的に運用するのでしょう。「SL銀河」が引退する釜石線や、山田線なども候補になりそうです。

「リゾートあすなろ」は、かつて津軽線でも定期的に運行していましたが、最近は大湊線方面の「下北」以外での運用がなくなり、活躍の場所を減らしています。そのため、2編成のうち1編成を「ひなび」に改造し、活用するのでしょう。

「ひなび」が特急化されるのか、それとも快速列車として走るのかも未発表です。願わくは快速列車で運行して、気軽に乗れる列車であってほしいもの。運行開始は2023年冬。いまから楽しみです。

広告