「新幹線自由席用早特往復きっぷ」が廃止。紙の割引きっぷが、また消えていく

インターネット予約に移行

東海道新幹線の名古屋~新大阪間に設定されている「新幹線自由席用早特往復きっぷ」の発売が終了します。JR東海が発表しました。インターネット予約の普及にともなうもので、また、紙の割引きっぷが消滅します。

広告

21%の割引率

「新幹線自由席用早特往復きっぷ」は、東海道新幹線の名古屋~新大阪間でのみ販売されている割引きっぷです。2013年9月まで発売されていた「ひかり・こだま自由席用早特きっぷ」を往復タイプにリニューアルしたもので、2013年10月1日から発売されています。

東海道新幹線の普通車自由席に乗車でき、「のぞみ」も利用可能です。発売は1週間前までで、価格は9,150円(片道あたり4,575円)。正規料金11,660円に対する割引率は21.5%で、東海道新幹線の格安チケットとしては破格でした。

新幹線自由席早特往復きっぷについて、JR東海では、2018年9月23日で発売を終了すると発表しました。2018年9月30日利用開始分が最後となります。

新幹線新大阪駅

「EXこだまファミリー早特」はあるけれど

JR東海では、廃止の理由として「東海道・山陽新幹線のネット予約サービスの進展」を挙げています。プレスリリースでは、代替のきっぷとして「EXこだまファミリー早特」を紹介。東海道・山陽新幹線ネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」の専用商品で、名古屋~新大阪間の「こだま」指定席が片道4,200円です。

「EXこだまファミリー早特」は、文字通り「こだま」のみを対象とした格安チケットで、予約した列車の指定席のみ有効、2人以上で発売などの制約があります。正直、「新幹線自由席用早特往復きっぷ」の代替にはなりにくいきっぷだと思いますが、現状では、これ以外に名阪間で割引額の大きな新幹線格安チケットはありません。

新幹線指定席回数券が残っていますが、正規の自由席特急料金と価格差が小さいうえに、6枚綴りなので、利用価値はあまり高くありません。

広告

近鉄は「名阪まるトクきっぷ」を廃止済み

名阪間の紙のきっぷといえば、近鉄の「名阪まるトクきっぷ」も2017年12月を以て発売が終了しています。名阪まるトクきっぷは回数券でしたが、大阪や名古屋の金券ショップでばら売りされており、割引率も高く、近鉄特急の愛用者には利用しやすいチケットでした。

近鉄では、名阪まるトクきっぷにかわり、期間限定で「名阪特急チケットレス割引キャンペーン」を実施しています。2018年8月1日~31日は、「早割7」と「ネットいつでも割引」の2種類の設定があります。

「早割7」は平日限定(8月13日~15日除く)、7日前までの購入で、特急料金1,900円(子ども950円)が1,000円(同550円)に。当日購入可能な「ネットいつでも割引」は、特急料金が1,800円(同900円)に割引されます。

新幹線も近鉄特急も

名阪間でライバル関係の新幹線と近鉄特急の両方で紙の割引きっぷが廃止され、代替としてネット予約の割引きっぷが提示されたわけです。

ネット予約が便利になった時代ですから、それは仕方ないことかもしれません。せめて、紙のきっぷと同程度の使い勝手、価格のチケットを用意してくれればいいのですが、そうなっていない点が少し残念です。(鎌倉淳)

広告
前の記事JR北海道「キハ40」の更新を先送り。ローカル線の車両は変わらず
次の記事JR車両基地の一般公開に行ってみよう! 2018年夏から秋の情報まとめ