JR北海道が、2017年3月で函館線の無人駅5駅を廃止する方針を固め、森、長万部町に伝えていたことがわかりました。北海道新聞が報じています。
廃止がこの5駅にとどまる可能性は低く、今後、さらなる駅の廃止が明らかになるとみられます。
桂川、姫川、東山、北豊津、蕨岱の5駅廃止へ
北海道新聞2016年6月3日付によりますと、JR北海道は、2017年3月のダイヤ改正にあわせて、函館線の桂川駅、姫川駅、東山駅、北豊津駅、蕨岱駅の5駅を廃止する意向を固め、地元の森町、長万部町に伝えたそうです。
JR函館支社の担当者らが両町を訪れ、町幹部に各駅の利用状況を説明した上で、廃止の考えを伝えました。
これはJR北海道の公式発表ではありません。JRの担当者が廃止駅の存在する各市町村を順番にまわっていて、方針を伝えられた自治体からメディアに漏れている情報のようです。
今回明らかになったのは、森町、長万部町の2町に存在する駅だけですが、JR北海道には利用の少ない駅が他にも多数ありますので、今後、さらに多くの駅の廃止が明かされていくのではないでしょうか。
鷲の巣駅は2016年3月に廃止
2016年2月に、JR北海道が公表した「極端にご利用の少ない駅」のうち、道南エリアで1日の利用者数が1人以下の駅は、他に鷲の巣駅がありましたが、2016年3月に廃止されています。
同じタイミングで、石勝線の東追分駅、十三里駅、根室線花咲駅、石北線上白滝駅、旧白滝駅、下白滝駅、金華駅が廃止されました。
1日1人以下の利用者数の駅うち、道央方面で残っているのは、美々(千歳線)、豊ヶ岡、鶴沼、於札内、南下徳富、下徳富(札沼線)、伊納(函館線)、北一己、真布、峠下、幌糠、藤山(留萌線、廃止予定区間除く)です。道東や道北方面には、根室線や宗谷線に利用の少ない駅が多数あります。
こうした駅の全てが廃止されるのかはわかりませんが、今後も自治体への廃止方針伝達が続くとみられます。
宗谷線はどうなる?
注目は宗谷線です。名寄以北32駅のうち、利用者数が1日1人以下が14駅、10人以下が11駅。1日10人以上利用者のいる駅は、7駅に過ぎません。
名寄以北の普通列車は1日5往復にまで減少し、特急列車中心のダイヤになっています。とくに利用者の少ない駅が集中する天塩中川~幌延間では、駅の存続はもとより、運行形態が今後どう変化していくかが気がかりです。
いずれにせよ、いわゆる「秘境駅」が、北海道からどんどん姿を消していくことに間違いはなさそうです。残念ですが、利用者が極端に少ないのであれば仕方ない、というべきなのでしょうか。(鎌倉淳)