画期的な新商品
JRの規則は、1人の旅客が使用できるきっぷを1枚のみと定めていて、2席の同時使用を禁じています。したがって、「EXグリーンプラスワン」は、2席利用をルールとして認めた点で画期的です。
グリーン料金が2人分かかりますが、運賃や特急料金は不要ですので、利用者にとっては納得感のある価格設定です。快適性が高まりプライバシーも保たれやすいという点で、富裕層や有名人などにはとくに歓迎されそうです。
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上級グリーン車導入の布石?
では、JR東海が、いまなぜ、こんな商品を発売するのでしょうか。それを読み解くカギは、2022年10月に同社が発表した、「最新の技術を活用した経営体力の再強化」と題する新方針にありそうです。
この新方針は、JR東海が「鉄道の将来像と主な取組み」について取りまとめたもので、「新幹線の新たな座席のあり方」について検討することを盛り込んでいます。具体的には、「グリーン車の上級クラス座席や、ビジネス環境を一層高めた座席の設定」などを検討します。
「EXグリーンプラスワン」は、この方針に沿った、実験的な商品なのでしょう。新幹線グリーン2席を使うという「贅沢なニーズ」がどの程度あるのかを、見定める目的で設定されたとみられます。
2日前から発売というのは、3日前で販売している早特商品で売れ残った座席の空席利用という側面もあるのでしょう。
何しろ東海道新幹線ですから、贅沢な客には事欠かないはず。意外に大きな需要がありそうで、将来的にどういう形で「新たな座席」として結実するのか楽しみです。(鎌倉淳)
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