「EX早特21ワイド」の研究。東京~新大阪「のぞみ」が終日格安に

値上げですが

東海道・山陽新幹線で「EX早特21ワイド」が発売されます。東京~新大阪間などで全時間帯の「のぞみ」が割引になる商品です。

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2022年6月25日利用開始

JR東海は、東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」で、「EX早特21ワイド」という商品を、2022年6月25日利用分から発売します。

東京、新横浜~名古屋、京都、新大阪といった東海道新幹線のコア区間で、全時間帯の「のぞみ」号に割引価格で乗車できるのがポイントです。商品概要は以下の通りです。

■商品名
「EX早特21ワイド」

■設定期間
2022年6月25日から通年。ただし、繁忙期(GW、お盆、年末年始)には設定除外日あり

■発売期間
乗車日の1ヵ月前(10:00)から21日前(23:30)まで

■対象列車
終日の「のぞみ」普通車指定席

東海道新幹線と富士山

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「EX早特21ワイド」の設定区間

「EX早特21ワイド」の設定区間と価格、割引率は以下の通りです。

EX早特21ワイドの設定区間と価格(円)
設定区間 EX早特21ワイド 定価 差額 割引率
東京~名古屋 9,800 11,300 ▲ 1,500 13%
東京~京都 11,820 14,170 ▲ 2,350 17%
東京~新大阪 12,370 14,720 ▲ 2,350 16%
東京~新神戸 12,630 15,380 ▲ 2,750 18%
東京~岡山 13,900 17,660 ▲ 3,760 21%
東京~福山 14,600 17,990 ▲ 3,390 19%
東京~広島 15,000 19,440 ▲ 4,440 23%
東京~徳山 16,100 20,750 ▲ 4,650 22%
東京~新山口 16,400 21,640 ▲ 5,240 24%
東京~小倉 17,000 22,730 ▲ 5,730 25%
東京~博多 17,000 23,390 ▲ 6,390 27%
新横浜~名古屋 9,140 10,640 ▲ 1,500 14%
新横浜~京都 11,480 13,500 ▲ 2,020 15%
新横浜~新大阪 12,030 14,390 ▲ 2,360 16%
新横浜~新神戸 12,330 15,050 ▲ 2,720 18%
新横浜~岡山 13,900 17,330 ▲ 3,430 20%
新横浜~福山 14,600 17,990 ▲ 3,390 19%
新横浜~広島 15,000 19,110 ▲ 4,110 22%
新横浜~徳山 16,100 20,420 ▲ 4,320 21%
新横浜~新山口 16,400 21,080 ▲ 4,680 22%
新横浜~小倉 17,000 22,190 ▲ 5,190 23%
新横浜~博多 17,000 23,060 ▲ 6,060 26%
名古屋~小倉 14,100 17,660 ▲ 3,560 20%
名古屋~博多 14,100 18,890 ▲ 4,790 25%

※価格は大人片道一人あたり。

ご覧のように、通常価格より13~27%の割引率です。東京~岡山、広島、博多といった飛行機と競合する区間ではお得な価格設定です。とくに、東京~博多の27%割引は破格でしょう。

東京~新大阪間でも16%引きとなります。割引きっぷの少ない東海道新幹線では、貴重な選択肢になるでしょう。

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「EX早特21」を値上げ

「EX早特21ワイド」の設定と引き替えに、従来の「EX早特21」は廃止となります。従来の「EX早特21」は、乗車駅を朝6時台、昼11~15時台に出発する「のぞみ」限定でしたので、終日利用可の「ワイド」登場にあわせて、その役割を譲ることになります。

ただ、「EX早特21ワイド」はこれまでの「EX早特21」に比べると値上げとなっています。双方の価格を比較したのが下表です。

「EX早特21ワイド」と「EX早特21」の比較(円)
設定区間 EX早特21
ワイド
EX早特21 値上率
東京~名古屋 9,800 8,960 9%
東京~京都 11,820 11,000 7%
東京~新大阪 12,370 11,200 10%
東京~新神戸 12,630 11,610 9%
東京~岡山 13,900 13,240 5%
東京~福山 14,600 14,160 3%
東京~広島 15,000 14,260 5%
東京~徳山 16,100 15,070 7%
東京~新山口 16,400 15,280 7%
東京~小倉 17,000 15,890 7%
東京~博多 17,000 15,890 7%
新横浜~名古屋 9,140 8,760 4%
新横浜~京都 11,480 10,900 5%
新横浜~新大阪 12,030 11,100 8%
新横浜~新神戸 12,330 11,510 7%
新横浜~岡山 13,900 13,240 5%
新横浜~福山 14,600 14,160 3%
新横浜~広島 15,000 14,260 5%
新横浜~徳山 16,100 15,070 7%
新横浜~新山口 16,400 15,280 7%
新横浜~小倉 17,000 15,890 7%
新横浜~博多 17,000 15,890 7%
名古屋~小倉 14,100 13,240 6%
名古屋~博多 14,100 13,240 6%

※価格は大人片道1人あたり。

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東京~新大阪間は10%値上げ

ご覧のとおり、3~10%の値上げとなっています。もっとも値上げ率が高いのが東京~新大阪間の10%。ついで、東京~名古屋、新神戸の9%などとなっていて、東名阪間での値上げ率が高くなっています。

一方、飛行機と競合が激しい東京~岡山・広島間では値上げ率は5%と抑えめです。これらの区間には、3日前まで予約可能な「EX早特」の設定もあるため、その兼ね合いもあるのでしょう。

こうした値上げ率をみると、「EX早特21」ワイド化の影響を大きく受けるのは東名阪の利用者といえそうです。終日利用可になることで使える機会は増えそうですが、割引率の大幅縮小でお得感は小さくなります。

変更は可能に

「EX早特21ワイド」は、2021年6月から7月にかけて期間限定商品として初登場しました。それから約1年を経て、今回、レギュラー商品化されます。

2021年の期間限定商品と、2022年のレギュラー商品との最大の違いは、変更の取扱いです。2021年版は変更が一切不可でしたが、2022年版レギュラー商品では、変更時点で購入可能なEXサービス他商品への変更が可能となりました(要差額)。

払い戻す場合の手数料も他のEX早特商品と同様に設定され、320円に過ぎません。飛行機の早期購入割引などに比べれば、良心的な制度設計となっています。ただし、乗り遅れた場合、後続列車の自由席を利用することはできません。

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とりあえず押さえておく

変更の制約がなくなったことで、「EX早特21ワイド」は、3週間以上先の予定が立っている場合に使いやすい商品となりました。

予定変更があるかもしれない場合でも、チケット変更が可能なので、安いうちにチケットを気軽に押さえておくことができるでしょう。もし、直前に日程が変更になった場合にチケットを変更しても、新幹線の通常価格になるだけです。

微妙な価格だが

残念な点としては、東名阪での値上げ率の高さです。とくに、東京~新大阪間で12,370円というのは、絶対額として「安い」とは感じにくいでしょう。これまでの「EX早特21」の11,200円に比べると、お手頃感が失われている印象は否めません。

高速バスや「ぷらっとこだま」に比べれば高いですし、3週間前の予約なら、成田~関空のLCCでもこれより安く買えることが多そうです。

ということで、「EX早特21ワイド」は、東名阪のピーク時間帯の新幹線でも使える格安チケットとして有力な選択肢になりますが、価格的には微妙です。安さと速さと予約タイミングのバランスを求めるなら、他の交通機関も含めて検討するのが良さそうです。(鎌倉淳)

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