ルスツ「リフト1日券8800円」の衝撃。35%値上げ、スキー場にインフレの波

円安、原油高の影響か

北海道のルスツリゾートが、2023年シーズンのリフト券を大幅値上げすると発表しました。1日券は35%の値上げで、スキー場にインフレの波が押し寄せています。

広告

大人1日券8,800円

北海道を代表する大規模スキー場として知られるルスツリゾートが、2023年シーズン(2022-23年冬)のリフト券価格を発表しました。

衝撃なのはその価格。レギュラーシーズン(12/17~3/12)の大人1日券が8,800円となります。2日券は16,600円、3日券は24,900円です。

「1日券8,800円」というのは、少し前までの日本のスキー場リフト券相場では、考えられなかった価格です。

ルスツリゾートリフト券(2022-23シーズン:円)
券種 大人(19-64歳) シニア(65歳以上) 中高生(13-18歳) 子ども(4-12歳)
1日券 8,800 6,600 6,600 4,400
2日券 16,600 12,200 12,200 7,800
3日券 24,900 18,300 18,300 11,700
ナイター券 3,300 2,200 2,200 1,100
5時間券 7,700 5,500 5,500 3,300
25時間券 27,500 22,500 22,500 13,800
広告

2,300円を一気に

2022年シーズン(2021-2022年冬)では大人1日券が6,500円でしたので、2023年シーズンは2,300円を一気に値上げすることになります。率にして約35%です。2日券と3日券も、それぞれ約34%と、ほぼ同率の値上げとなります。

2022年シーズンは4時間券(5,400円)と6時間券(6,000円)がありましたが、2023年シーズンは5時間券(7,700円)に統合します。2022年シーズンが平均して5時間5,700円だったと仮定すると、これも約35%の値上げとなります。

ナイター券は3,100円だったところ、3,300円に値上げとなります。6%程度の値上げです。

大人価格の値上げ幅(円)
券種 2023シーズン 2022シーズン 値上げ率
1日券 8,800 6,500 35%
2日券 16,600 12,400 34%
3日券 24,900 18,600 34%
6時間券 6,000 35%
5時間券 7,700
4時間券 5,400
24時間券 24,000 15%
25時間券 27,500
ナイター券 3,300 3,100 6%
広告

中高生はほぼ据え置き

中高生に関しては、値上げ幅を圧縮します。ルスツでは、これまで13歳から大人料金でしたが、2023年シーズンは新たに13~18歳という中高校生の区分を設けて、シニアと同価格とします。

これにより、13~18歳は、2022年シーズンに6,500円だったところ、2023年シーズンは6,600円となります。100円の値上げにとどまります。

一方、シニアの区分はこれまで60歳以上でしたが、これを65歳以上に変更します。これにより、60-64歳は1日券が5,500円から8,800円となり、じつに60%の大幅値上げとなります。

1時間ずつ使える24時間券は、約15%の値上げで25時間券になりました。1日券に比べればマイルドな値上げで、リピーターに配慮した形です。

なお、一部券種はオンライン購入により300円の割引があります。この割引額は昨シーズンと同額です。

ルスツスキー場

広告

値上げは続いていたけれど

ルスツリゾートは、この10年ほど、毎年のようにリフト券の価格改定をおこなってきました。大人リフト1日券を例に取ると、2013年シーズンの5,300円が2021年シーズンに6,200円になっていて、毎年100円程度の値上げを行ってきたことがわかります。

2022年シーズンに6,500円となりましたが、それでも前年に比べ300円の値上げにすぎませんでした。そうした経緯を振り返れば、2023年シーズンの2,300円という値上げ額がいかに大きいかがわかるでしょう。

円安と原油高が影響か

ルスツリゾートは値上げの理由をとくに明らかにしていませんが、円安と原油高による電気料金や燃油費の高騰の影響によるとみられます。スキー場はリフトや照明で電気代がかかりますし、除雪や圧雪、暖房などで燃料代もかさみます。円安・原油高によるインフレの直撃を受けやすい業種といえます。

新型コロナにより、入り込み客が減っているという影響もあるでしょう。頼みの綱のインバウンドも、新型コロナの影響でどれだけ回復するかわかりません。

外国人からみれば、円安のおかげで、値上げしてもドルベースではほとんど据え置きになっている、という状況も考慮したのでしょう。外国人を意識して正規料金を高めに設定する一方、日本人にはリフト券付きツアーなどで割引販売するといった手法も考えられます。

広告

厳しい冬に

当然のことですが、インフレは日本全国を襲いますから、各地のスキー場でもリフト券の値上げは避けられないでしょう。

値上げ幅はそれぞれの事業者の判断ですが、ルスツの「35%」が、一つの基準になる可能性もあります。とくに、ルスツに匹敵する大規模ゲレンデのニセコや白馬八方などで、同水準の値上げが行われる可能性は十分に考えられます。

一方で、すでに2023年シーズンのリフト券価格を発表した札幌国際スキー場では、1日券を4,600円から4,800円にしただけで、200円の値上げにとどめています。ただ、札幌国際は、札幌市が筆頭株主の第三セクターによる運営なので、純民間資本のスキー場ほど思い切った価格施策を取れないという事情もありそうです。

なんであれ、2023年シーズンは、スキーヤー、スノーボーダーには厳しい「値上げの冬」となりそうです。(鎌倉淳)

広告
関連広告
前の記事「EX早特21ワイド」の研究。東京~新大阪「のぞみ」が終日格安に
次の記事『地球の歩き方 北海道』6/30発売。528ページの大作ガイドブックが登場