JR東日本は、房総・鹿島エリアに新型車両131系を投入すると発表しました。ワンマン運転対応の機器を備えた、4トビラのセミクロスシート車です。
209系を置き換え
JR東日本は、内房線、外房線、鹿島線に新型車両E131系を計24両(2両編成×12本)投入すると発表しました。車両はすべて新製で、現在走っている209系の一部を置き換えます。営業運転開始は2021年春頃です。
E231系はステンレス製の4トビラ車で、半自動機能を搭載したドアを備えます。外観デザインは、房総の海の明るい青色と、内陸を彩る菜の花の黄色による、2色の帯を配しています。前面の水玉模様は、房総の海の波しぶきをイメージしています。
多言語とバリアフリー
車内はロングシートとクロスシートを配置するセミクロスシート。車体幅は2,950mmの拡幅車体です。座席幅を広げた低座面で、クッション性を向上させるなど快適性に配慮したアコモデーションです。
ドア上の一部には17インチの案内表示画面を設置。多言語対応で運行情報などを提供します。車いすやベビーカー利用者のためのフリースペースを各車両に設置。大型洋式トイレも設け、バリアフリーを推進します。
客室には防犯カメラを設置。非常通話装置を1両につき4カ所に増やし、セキュリティを強化します。
ワンマン対応
この車両のトピックスは、デザインやアコモデーションよりも、ワンマン対応ということでしょう。E131系は、直流電化区間のワンマン対応車両の標準タイプとして開発されています。車両側面にカメラを設置し、運転台から旅客の乗降を確認する機能を備えます。
現時点では、房総各線のワンマン運転は公式発表されていませんが、E131系の運転区間で、ワンマン運転が開始されるとみられます。
そのE131系の運転区間ですが、内房線・木更津~安房鴨川間、外房線・上総一ノ宮~安房鴨川間、鹿島線・佐原~鹿島神宮間です。運賃箱を設けたりはせず、全ドアから乗降可能な形でのワンマン運転となるようです。
CBM機器搭載
技術的には、CBM(状態基準保全)対応機器を搭載していることも注目点でしょうか。
これまで鉄道車両の検査体系はTBM(時間基準保全)の考え方によって、一定周期ごとに検査を行ってきました。これに対し、CBMは車両など設備の状態を常時監視に近い状態にして予防保全をするもので、突発的な異常に対応しやすいというメリットがあります。
CBMはE235系導入時に注目されましたが、E131系でもモニタリング技術を活用した車両機器や、線路設備の状態監視機能を搭載しています。JR東日本では、これにより故障の予兆を把握し、事前に対処することが可能になるとしています。
主回路機器にはSiC(炭化ケイ素)半導体素子を採用しています。最近の新型鉄道車両では定番になりましたが、車両の消費電力を抑制する新技術です。
最新技術を詰め込んだワンマン対応の電車が、2両編成で房総半島や鹿島エリアを来春から走りだします。楽しみに待ちたいところです。