宗谷線の抜海駅が2025年3月で廃止される見通しとなりました。今年が「最後の夏」となりそうです。
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日本最北の無人駅
宗谷線抜海駅は、稚内市内にある日本最北の無人駅です。1日の利用者数は2.6人(2016-2020の平均)で、2019年には、JR北海道が廃止の意向を示しました。地元住民の反対などもあり、年間約100万円の維持管理費を稚内市が負担することで存続しています。
しかし、稚内市の工藤広市長は、2022年6月に、今後も利用者の増加が見込めないとして、市の負担による維持・存続を2022年度限りで終了する方針を表明。駅の廃止方針が示されました。
住民側がこれに強く反発し、開業100周年を目指し、クラウドファンディングによる募金も実施。稚内市は方針を転換し、2023年度の存続が決まりました。開業100年を迎える2024年度も稚内市の負担により維持することになり、2025年3月までの存続が決定しています。
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開業100周年を終えて
開業100周年を祝う記念式典は、2024年6月23日に開催されました。一区切りを終えたタイミングで注目となっていたのが、2025年度以降の存続です。
現時点では、正式に廃止が発表されたわけではありません。しかし、各社報道によると、JR北海道が稚内市に意向を尋ねたところ、6月28日付けで稚内市が回答。内容は「維持をしない」ということでした。
これにより、抜海駅は2025年3月を以て廃止される可能性が高まりました。
抜海駅に現存する駅舎は、1924年開業当時に建てられた大正建築です。現役の鉄道駅舎として迎える夏は、今シーズンが最後になるかもしれません。(鎌倉淳)
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