ANAが国際線の格安チケットで、一部の座席指定を有料化します。前方席の窓側、通路側や、非常口に面した足元の広い座席で、1,500円~5,500円の別料金がかかります。
格安運賃のみ有料化
ANAの座席指定有料化は、国際線エコノミークラスの格安運賃が対象。非常口付近や窓側など人気の高い席について、事前座席指定を有料化します。実施は2019年5月29日発券分からです。
対象となるエコノミークラスの運賃種別は、ANAのウェブサイトで「Value」と表示されるVとW、S、「Super Value」のLとKの5種類。
これらの運賃種別では、前方非常口付近と窓側、通路側席が有料となります。窓や通路に面していない中央席や後方席などは、これまで通り無料で指定できます。
ボーイング787-8(240席仕様)の対象座席例です。赤色席(非常口付近)と黄色席(窓側と通路側席)が有料化対象で、青色席は無料です。
座席指定料金は?
座席指定料金は、エリアと席位置によって異なります。以下の通りです。
■ANA予約クラスV/W/S/L/Kの事前座席指定料金
▽日本~欧州・北米(ハワイ除く)・オセアニア
非常口付近:5,500円
上記以外の対象座席:2,500円
対象外座席:無料
▽日本~東南アジア、南アジア、ハワイ
非常口付近:5,000円
上記以外の対象座席:2,000円
対象外座席:無料
▽日本~東アジア
非常口付近:4,500円
上記以外の対象座席: 1,500円
対象外座席:無料
上記以外の運賃種別の航空券や、ANAマイレージクラブの上級会員「ダイヤモンドサービスメンバー」と「プラチナサービスメンバー」は、事前座席指定料金は無料です。
合理的ではあるけれど
旅行者からみれば、実質的な値上げとも受け取れますが、数千円を足せば好みの席に座れるというのは、必ずしも悪い話ではありません。非常口座席と機体中央席では、快適性に格段の違いがありますので、そこに料金差を設けるのは、合理的と言えば合理的です。
今回は後部座席は対象外となりましたが、有料化後の状況を見て、対象座席を広げる可能性もあるでしょう。その点では、実験的な側面もありそうですが、LCCから始まった座席指定有料化の流れが、フルサービスキャリアにもひろまりつつある、という印象を受けます。(鎌倉淳)